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新規事業立ち上げのポイントとは?アイデア発想法やフレームワークについて

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新規事業を立ち上げようと考えている経営者や新規事業開発担当の方が直面する問題は、「新しいアイデアがない」こと。しかし新しい事業のアイデアはさまざまなところに眠っており、それを見出すことが大事です。この記事では主に新規事業のアイデア発想法を解説します。

新規事業を立ち上げようと考えている経営者や新規事業開発担当者が直面する問題は、「新しいアイデアがない」こと。新規事業を立ち上げるのは容易なことではありませんが、その根本に位置するアイデアが浮かんでこないのは致命的だと言えます。

さまざまなところに転がっている新しい事業アイデアの原石を見極め、さらにトレンドを汲み上げて、正しいマーケティングを踏まえた戦略を打ち出していきましょう。
本記事では新規事業のアイデア発想法と、長くサービスを継続するために必要なフレームワークを紹介します。

新規事業立ち上げにおける課題

新規事業を立ち上げるため必要なことは、既存事業との違いを明確にすることです。これを踏まえずに新しい事業を開発しようとすると、思うように計画が進まなくなってしまいます。
しかし肝心のアイデアを発想することに関しては、頻出する課題が主に3つ存在しており、これが現場において新規事業開発を妨げる要因となっています。

1.事業プランやアイデアがない

新規事業は立ち上げたいけれど、形にしたい事業プランやアイデアがまだないので、実際に取り組むことができないという課題。

2.評価と検証ができない

仮構築した事業プランやアイデアについて評価・検証ができず、事業の方向転換や軌道修正ができないという課題。

3.事業化とグロースができない

評価や検証を行うことができたとしても、そのアイデアを事業化して大きくできないという課題。これら3つの課題は新規事業開発のフェーズごとに発生するものですが、これらの課題を解決できれば成功の可能性も高まるでしょう。

3つの課題の克服方法

次に、先に述べた3つの課題を克服し、新規事業を成功に導くために必要なポイントについて解説していきます。

「事業プランやアイデアがない」場合

先に述べた課題のうち最初の課題である「事業プランやアイデアがない」。これは、「アイデアがそもそも社内にない場合」と「社内にアイデアの芽がありながらも、それを見つけられていない場合」とに分けられます。
アイデアが社内に存在していない場合は、「市場や顧客ニーズを把握し、社内で優位性のある技術から発想する」という方法が必要であり、企業内に芽生えたアイデアの芽を発見できていないケースでは、その「アイデアの芽を発見するための仕組みや体制づくり」が必要です。
まずは、「市場や顧客ニーズを把握し、社内で優位性のある技術から発想する」際に、必要なポイントを押さえておきましょう。

1.誰のどんな課題を解決するのか

社会的課題・顧客の需要を起点とし、その課題解決を望んでいる層が誰なのかを検討するやり方と、最初に喜んでもらいたい顧客層を設定したうえで、その層が抱えている課題を見極める方法とがあります。

2.誰を対象にするのか

先述したとおりに市場動向や社会的課題を考え、顧客層を設定します。
課題解決のためにどんな価値を提供できるか
顧客が抱えている課題解決のためには、どんな価値を提供できるのか。それは「自社独自」のものなのかを検討します。現代では数多くの企業が存在し、事業分野も多岐にわたっているため「完全なオリジナル」はほぼ不可能な場合もあります。先行する類似事例や一度市場に投入されたことがあるかもしれませんので、注意を払う必要があります。

3.価値を提供するために具体的に何ができるか

最後に、顧客の抱えている課題を解決するための具体的な道筋を考えます。例えば通販サイトは豊富な商品を取り揃え、顧客が買い物に行く手間を省くことに成功しましたが、これは顧客の「買い物に行く手間が掛かる」や「重い商品を持ち帰るのは大変だ」といった課題を解決することに焦点を当てたからこその成功です。
顧客に提供する独自の価値を考え、それを実現するための具体的な方法を見出すことが、事業成功のためには必要不可欠です。

これら4つのポイントは、想定顧客層へのインタビューや行動観察をし、何度も仮説・検証を重ねることで洗練され、より強い課題や需要を発見することで厚みを増していきます。実際にこの4つを踏まえたアプローチを行うことで成功した企業は多く存在し、先述のフィルム製造会社や大手通販サイトなどがその実例として挙げられます。

社内にアイデアの芽がありながらもそれを見つけられていない場合

次に、「社内にアイデアの芽がありながらもそれを見つけられていない場合」のアプローチ方法を見てみましょう。「アイデアの芽を発見するための仕組みや体制づくり」には以下のような取り組み方で効果が期待できます。

1.自社の事業範囲を明確にする

ある大手フィルムメーカーはもともとコラーゲンを使ったフィルムを制作している会社でしたが、その技術を極限まで小さくしたコラーゲンを含んだ化粧品開発に応用しました。このように、「自社の事業範囲はなにか」や「そこで培ってきたノウハウを応用できないか」と考えることによって、新しい事業開発につながる芽を見出すことができます。

2.社内の資源を明確にする

これまで培ってきたノウハウや素材といった社内資源を有効に活用すれば、新製品を開発する場合でもその費用を大幅に削減することが可能です。
その社内資源を明確にするためには、「今まで時間を掛けてやってきたこと」、「お金を掛けてやってきたこと」、「情熱を傾けてやってきたこと」の3つを経営者自身と社員に問い掛け、具体的に書き出すことで「これが応用できないか」という資源を見出すことができます。

3.利益率の高さに気をつける

新規事業の立ち上げ時には利益率の予想がポイントとなります。参入する業種の利益率を事前に調べておくことで、今後の業績を仮定することが可能です。

「評価と検証ができない」場合

続いて、「評価と検証ができない」場合について。この問題を解決するためには「外部のコンサルタントを招く」、「顧客層にアポイントを取ってテストセールに行く」、「クラウドファンディングを使ってテストマーケティングを行う」といった方法があります。
コンサルタントを招くことによって、社外という新たな視点から新規事業のアイデアを仮説・検証することができるようになり、テストマーケティングを行うことで新しい事業の有効性を具体的に判断できます。
何度も実証試験を重ねることで事業の有効性を適切に評価・検証できるようになるというわけです。

「事業化とグロースができない」場合

最後の「事業化とグロースができない」という課題も、先述したテストマーケティングの実行を定着させる、外部コンサルタントの導入またはその知識を吸収して、社内に新規事業検討のための部署を設置するといった「評価・検証を行うための体制構築」によって解決することが期待できます。
このように、フェーズごとに発生する課題に対して適切なアプローチを行っていけば、事業成功への道筋を付けることが可能になってきます。

補足:新規事業について具体的な情報を書き出して発想する

アイデアがそもそもない場合、以下の方法も取り入れれば、より迅速かつ具体的な発想をすることが可能となります。
それは「具体的で現実的な情報を書き出す」こと。自社と他社、業界や市場の動向をまとめておけば、あとでそれを踏まえて冷静にアイデアを着想することに役立ちます。
以下はまとめておきたいポイントです。

  • 自社の各部門の機能・価値・評価
  • 業界の現状把握・今後の予想、同業他社・成長企業の情報
  • 顧客の要望や不安
  • 海外の成功事例

新規事業を立ち上げる際のフレームワーク

これまで見てきた新規事業のアイデア発想時におさえておきたいポイントを包含し、かつ事業を長く継続するために役立つフレームワークには、以下のようなものがあります。

・MVV

自社の方向性を明確にするために必要なフレームワークであり、「Mission(使命)」・「Vision(未来像)」・「Values(価値観)」の3視点から新規事業を分析します。

・3C分析

具体的な製品やサービス内容を考えるために役立つフレームワークです。「Customer(顧客・市場)」・「Company(自社)」・「Competitor(競合他社)」に着目し、新規事業の顧客需要や市場規模、競合他社と自社の強みや弱みを分析します。

・ABC分析

新規事業の問題点を逐次改善することに役立つフレームワークです。製品や原材料を重要性によって分類し、在庫管理する方法。売上に貢献している製品は管理を重点的に行い、そうでないものは効率性を重視して管理します。

詳しくはこちら:「新規事業を立ち上げるために、成功者が実践する7つのステップとポイント」

新規事業のアイデアは身近なところにある

新規事業のアイデアを発想し、それを実現していくことは容易ではありません。
しかし新しい事業の立ち上げは会社の収益を上げるだけではなく、社内の社員同士の交流が深まったり、社会の人々が不便に感じていることを取り除くことになったりと、さまざまな良い変化をもたらしてくれることがあります。
今回解説したアイデア発想法やフレームワークを踏まえ、魅力的な事業を立ち上げてください。

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