今回の執筆者は、コロナ禍以前から“旅するようにはたらく”を実践されてきたshandyさんです。場所にとらわれることなく、どこでも働ける暮らしをしてきたなかで感じたメリットやデメリット、リモートワーカーへのアドバイスをぜひ皆さんも参考にしてみてくださいね。
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目次
外出自粛に伴いリモートワークが急速に推奨され、困惑している人も多いかと思います。反面、リモートワークに憧れを抱いていた人は、実際に経験してみてどう感じていらっしゃるのでしょうか?
私は2018年より、世界各地を旅しながら、好きな場所で働く暮らしをしています。
現在は、”日本人の99%が行かない国”として紹介されることが多い「ジョージア」という国の、首都トビリシに滞在しています。ロックダウンされ、他の都市や国に移動できない状態です。
元々は4月上旬に日本に帰国予定だったところ、いつロックダウンが解除されるかもわからない状況下ではありますが、元々リモートワークで仕事ができる環境を構築していたことから、「働き方」という点に関してはそこまで影響を受けていないのも事実です。
今後リモートワークを始めようとしている方や、これからフリーランス・副業で働こうとしている方にとって、少しでも参考になればと思い、私が実際にリモートワーカーとして働いてきた経験を紹介させていただきます。
よく聞かれる質問として、メリットとデメリットがあります。
どこでも働けることはメリットでもある反面、どこでも働けてしまうので自己管理が難しいという意見もあり、人それぞれ考え方は異なると思います。「こんな考え方もあるのか」程度に参考にしていただければと。
電車遅延などが理由の遅刻がなくなった
どこでも働けるようになり、時間に縛られていると感じることが少なくなりました。
打ち合わせは、オンラインで完結できるものであれば、よっぽどのことがない限り遅刻はもちろんありません。
また、リアルでの打ち合わせも直前に移動する必要がなくなりました。
例えば、昼過ぎに予定を入れて、通勤ラッシュを避けた時間帯に打ち合わせ場所の近くに移動し、時間まで最寄りのカフェやコワーキングスペースで仕事を進めておくことができるようになりました。
ランチの選択肢が無限に広がった
ランチに限定する訳ではないですが、社食かオフィスの近くでしかランチを食べていなかった頃と比較して、「あのご飯が食べたいから今日は〇〇駅で仕事しよう」とか、「打ち合わせ前に早めにいって、美味しそうなご飯屋さんを探そう」というようなことが可能になりました。
ランチだけに留まらず、個人的な趣味としてサウナがあるのですが、「今日は〇〇のサウナに入ってから仕事しよう」というような選択肢が増えたのも、リモートワークならではの良さですね。生活の充実度が上がりました。
作業環境を探すのが手間
作業環境で思い浮かぶのは、まず「電源」と「Wi-Fi」だと思いますが、ポケットWi-Fiを契約しているので、国内にいる限り「Wi-Fi」で困ったことは、実はあまりありません。
それより「電源」と、「周りの静かさ」を探す手間や時間が、一番のデメリットだと感じています。
コワーキングスペースを利用することで、電源問題もある程度は解消するのですが、リモートワークだとどうしてもオンラインでの打ち合わせが増えます。
オンラインで打ち合わせをするには「周りが静かな環境」かつ「電話をしてもいい環境」である必要があります。カフェは、セキュリティ的にもちろんNG、コワーキングスペースでも、場所によっては会話NGの場所があります。
海外だと、国によってはWi-Fiがある場所でも電波が弱く、ビデオ通話が繋がらないということもあり苦労したことが幾度かあります。
交通費を含む出費が増えた
サラリーマン時代、同じ場所に定期券で通っていた頃と比較して、移動が家と会社の往復ではなくなり、電車や飛行機を使うことも増え、当然ですが交通費が増えました。
またそれに伴い、定期契約しているコワーキングスペースの他に、カフェや他のコワーキングスペースを利用する際に発生する費用、さらには移動先で滞在をすることも増え、宿泊費も追加でかかるようになりました。
ジョージアのような物価の安い国であれば日本より出費をおさえることができますが、日本にいて家に引き篭もるのが嫌な方は、それなりに移動費等が積み重ねで大きくなると思っていたほうが良いです。
自宅での在宅ワークの場合は特に必要のないことかもしれませんが、国内外問わずにどこでも働けるということを前提としたリモートワークの場合は、オンライン系サービスの事前登録は必須です。
例えばオンラインバンクの開設。決済周りは特に事前の面倒な書類の送付や受け取りが多いです。
Googleの広告収入で生計を立てようとしていた友人は、本人確認のハガキを受け取れないためなかなか収益化できずに悩んでいました。
また、海外送金サービスを利用しようとしたものの、こちらもまた住所確認のハガキが受け取れないためサービス利用ができなかったという事例も聞きました。
どこでも働くようにするためには、全国展開しているサービスを利用するのがオススメです。
全国展開や全世界展開しているもので言えば、月額定額で世界中のゲストハウスに泊まり放題になるサービス「HafH」や、世界中どこのジムでも24時間使える「Anytime Fitness」を筆頭に、各ジャンル月額定額で世界中の場所を使えるサービスが、ありがたいことに増えてきました。
コワーキングスペースやレンタカー、ランチのサブスクリプションサービスなど、1つの場所に依存せず使え、自分の生活スタイルにあったサービスを視野にいれておくと、結果的に支出が少なくなることが多いです。
いかがでしたでしょうか。
今回のコロナ禍の前からリモートワークをしてきた身としては、この機会をプラスに捉え、少しでも多くの人にリモートワークの機会が増え、「働く場所」についての選択肢ができることを願っています。