会社名:株式会社ニジボックス
資本金:1億円
代表取締役:入江 翔平
従業員数:135名(2019年3月1日現在)
設立年月日:2010年11月1日
所在地:東京都中央区
2010年に株式会社リクルートの実証・研究機関「Media Technology Lab.」から分社化して誕生した株式会社ニジボックス様は、2015年に新しく受託開発事業へ参入し、さらなる飛躍を遂げています。同社では昨年、この新規参入事業において生じる課題解消のために、JOB HUB顧問コンサルティングのサービスを導入しました。顧問の知見を生かすことによって、どのような成果を手に入れることができたのか、執行役員の丸山潤様と顧問として関わっている井上敦雄さんにお話を伺いました。
旧築地市場や勝鬨橋が眼下に広がるビルに入居するニジボックス様がJOB HUB顧問コンサルティングの利用を決めたのは2018年12月のこと。丸山様が責任者を務める受託開発事業は立ち上げから4年目を迎え、着実に事業規模の成長を遂げていました。しかし同時に「新規事業立ち上げ当初から恒常的に生じている課題が悩みの種だった」と丸山様は担当役員としての思いを打ち明けます。
丸山様が指摘する課題は、クライアントとの認識の齟齬やスケジュールの遅れなど、受託から納品に至るまでの各フェーズで生じる「小さいけれどもプロジェクトのスムーズな進行を阻害するもの」の数々でした。
「業界ではバイブルとも呼べるPMBOK(Project Management Body of Knowledge・ピンボック)をベースに業務を進めていますが、体系立ってはいるものの、当社のような規模の開発会社では、その全てをテキスト通りに行うわけにもいきません。テキストに書かれていても、どう解釈して、どのように実践するかを判断できないケースが多くの場面で発生していたのです」
丸山様の話に顧問の井上さんも深く頷きつつ、「PMBOKはいわばシステム開発のバイブル。分厚い中に運用開発のノウハウがぎゅっと詰まっていますが、なかなか読んだだけではわからないことも多い。理論だけでなく、実践を通して積んできた経験を伝えていくのが私の役割です」と意欲を口にします。
ニジボックス様はソーシャルゲーム開発の会社として創業したため、事業ポートフォリオが変化し現在の立ち位置に移っていくのに伴って、増えていく課題の解消には手を焼いていました。そんなニジボックス様の課題解決を大きく後押しすることになったのが顧問の存在でした。
具体的には週1回、丸山様のほか開発現場のリーダーを含む7名ほどのメンバーが集まるミーティングを設定し、各チームの課題に応じて井上さんがフレームワークを紹介するなどアドバイスをしたり、打ち合わせで決まったタスクの進捗と結果の報告を受けたりしています。
「例えば、PMBOKではこのように書いているけど、これはそもそもどういう意味なのか、とか。PMBOKではこう対処するように書いているが、我が社でもその通りやったほうがいいのかどうかなど、そのノウハウがありませんから、その点を井上さんの知見に頼っています」
現場と顧問のやりとりを積み重ねてきたことによって丸山様は、大きな手応えを感じています。
「若い社員たちの満足度が非常に高い。彼らの腹落ち感が高いんです。井上さんの経験によって解決できることが増えたので、社員の満足度も上がるし、納得感も生まれる。社員が経験を積めるので現場で判断できることもどんどん増えていきます。その結果、案件ごとに何か問題が起きそうだというときに彼らから上がってくるアラートのタイミングが格段に早くなった」。これに加えて丸山さんは「事業進捗の評価指標の一つとして2年前から工数オーバーのモニタリングをしていますが、これが大きく改善した」と顧問導入の成果を強調します。
「どうしても小さなトラブルが起こるとそれらが積み重なって工数オーバーが発生します。よくあることかもしれません。当社にとっては損失です。井上さんのおかげで、この工数オーバーを半減させることができたのです。受託開発はもちろん質が求められますが、プロマネやディレクターがミスなくコミュニケーションできているかが案件の成否に強く結びつきます。井上さんの知見が現場に浸透し、この点が改善しているので工数オーバーも減る一方でクライアントの満足度は高まる。そのおかげで案件の継続率も増えている、というわけです」
対クライアントのみならず、顧問導入の成果は社内の人事労務政策面においても「効果が表れている」といいます。
「若いスタッフが『この会社で働いていれば学べる』と感じてくれている」と社員のモチベーションの変化も感じられるようになっています。顧問の存在が人材育成に止まらず、離職防止にも大きな効果をもたらしています。
もしJOB HUB顧問コンサルティングに出会わなかったとしたら、社内の課題をどう解決していましたか?との問いに丸山様は次のように答えてくれました。
「そうですね。やはり外部人材を活用して解決しようと考えたと思います。過去にメンターを置いてスタッフを育成した経験がありましたから、外部人材の招聘に抵抗はありませんでした。おそらく友人・知人のツテを使って外部人材を見つけようとしていたと思います。ただ、ツテの場合、どちらかというと技術的に尖った人に出会いやすいかなという印象はありますが、組織全体を俯瞰して考えられる知識と経験を持った井上さんのような人材を探すのは難しかったでしょうね」
当初はSIer出身ということで社内の課題をうまく共有できるか不安視する声もあったそうですが、面談後の手応えは十分、「面談に同席した全員が一致した」といいます。井上さんも「お話を伺ってみて、業務の標準化をしなければならないという課題がすぐにわかりましたし、これは私が長年組織人として取り組んできたことでしたから、これはお役に立てそうだと確信しました」と面談時の感想からは相思相愛ぶりが伺えます。
丸山様はJOB HUB顧問コンサルティングのサービス導入を経験してみて、顧問を活用することのメリットを「このサービスは、創業期ではなくてその次、これからさらに会社が大きくなっていくというタイミングに適していると思う」と考えを示します。
その理由として、「創業期はスタッフ全員がどんな仕事をしているかが見えているので、マネジメント側のやるべきことというのは見えやすい。ただ、会社が百人規模に育っていくと、どうしても全ての社員の仕事を把握することが難しくなるわけです。この時に“組織として仕事が回る体制づくり”が必要になってくる」と指摘します。
さらに丸山様は組織の成長段階に応じて顧問の力を借りることで得られるチャンスについて、わずかな悔しさもにじませつつ次のように言葉を続けます。
「組織が十分に整っていないときには、いくら案件が魅力的でも組織的な理由で断念しなければならない場面がありますし、現にいくつもそうした場面を経験してきました。あのとき今の組織力を手にしていたなら、断念するほどのことではなかったと思うケースはいくつもありました」
「そうしたフェーズに、井上さんのような人材はどうしても欲しい。欲しいのだけど、そうした人材はある一定規模の組織の中にしかいないのです。仮に転職市場にいても、残念ながら創業間もないベンチャーは知名度のある一流企業と違って“採用力が弱い”ため就職先としても選ばれにくい。JOB HUB顧問コンサルティングはそうしたスタートアップの弱点を補ってくれる理想的なサービスだと感じますね」
このように顧問を活用するメリットを述べる丸山様はさらに次のように続けます。
「会社って内部の人だけで完結していると、ついそれが正しいと思いがちです。私はそれだけでは不十分だと考えていて、新しいノウハウは常に吸収していく必要がある。そんなときには、勉強してきた人から教わった方が効率が良かったりするわけです。顧問やメンターはまさにそれ。テキストに書いていることが全て正しいとは限らない」
その言葉を象徴するように、実は、井上さんのほかにも、3ヶ月ほど営業部隊を強化するためにカスタマージャーニー作成を目的に、短期間の顧問契約もしていた実績もあり、JOB HUB顧問コンサルティングの活用は、常に外部の知識を吸収して大きく成長を遂げようと力を尽くすニジボックス様にとって、最適な課題解決ソリューションだったことがわかります。
JOB HUB顧問コンサルティングの利用開始からまだ1年にも満たずとも、その効果を強く実感している丸山様は、「まだ受託事業のすべての工程を見てもらうには至っていないので、これからまだまだ井上さんの経験を活かしてもらえると期待しています」と今後への期待を口にする。
井上さんも「これまでの経験をさらにニジボックス様に役立てていただければと思います」と強い決意と語ってくれました。今後、外部知見を活用し、より一層その成長スピードが加速することが期待されます。