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人事顧問とは?役割・料金相場や人事課題解決に向けて失敗しないための選び方を解説!

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企業経営において人材は最も重要な経営資源の一つです。
しかし、人事課題を抱えながらも、その解決に向けて社内だけでは十分な対応が難しいと感じている経営層や人事担当者も多いのではないでしょうか。

人事制度の構築や運用、採用戦略の立案、従業員の育成など、企業が直面する人事課題は多岐にわたります。これらの課題に対して、豊富な経験と専門知識を持つ「人事顧問」の活用が注目を集めています。

本記事では、人事顧問の定義や役割、具体的な支援内容から料金相場、選び方のポイントまで詳しく解説します。この記事を読むことで、自社の人事課題解決に向けて人事顧問を効果的に活用するためのヒントが得られるでしょう。

人事顧問とは?

人事顧問とは、企業の人事課題に対して専門的な知見とノウハウを提供し、その解決をサポートする外部の専門家です。人材採用や人事制度の設計・運用、従業員の育成、労務管理など、人事全般に関する豊富な実務経験を持つプロフェッショナルが、企業の人事戦略の立案から実行までを支援します。

多くの場合、人事顧問は企業の人事部長として豊富な経験を持つ人材や、人事コンサルタントとしての実績を持つ専門家が務めます。経営層や人事部門と密接に連携しながら、企業の成長ステージや課題に応じた適切なアドバイスを提供し、実務的なサポートを行います。

人事顧問の最大の特徴は、外部の視点から客観的に企業の人事課題を分析し、実践的な解決策を提示できることです。社内だけでは気づきにくい課題や改善点を指摘し、他社での成功事例や最新のトレンドを踏まえた提案を行うことで、より効果的な人事戦略の実現を支援します。

人事顧問の役割とは?どんな人事課題を解決してもらえる?

人事顧問は、企業が抱える多様な人事課題に対して、経験と専門知識を活かした包括的な支援を提供します。主な役割は、人材のポートフォリオ策定から人事戦略の整理、評価・等級制度の設計、期待する人材像の抽出、採用計画の立案など、幅広い領域に及びます。

具体的な支援内容は企業のニーズや課題によって異なりますが、以下の領域において特に効果的なサポートが期待できます。

  • 人材のポートフォリオの策定
  • 人事戦略の整理・制度の検討
  • 評価・等級・賃金の設計
  • 期待する人材像の抽出(職種・役職・雇用別)
  • 採用像やキャリアプランの策定

より詳しい支援内容について、それぞれ見ていきましょう。

人材のポートフォリオの策定

人材のポートフォリオ策定は、企業の持続的な成長を支える重要な戦略の一つです。人事顧問は、企業の現状分析から理想的な人材構成の設計まで、包括的な支援を提供します。

まず、現状の人員構成や職種別の人数、スキルレベルなどを詳細に分析し、経営戦略との整合性を確認。その上で、事業の成長計画や市場環境の変化を考慮しながら、中長期的な視点で必要となる人材の質と量を設計していきます。

具体的には、正社員・契約社員・パートタイム社員といった雇用形態のバランス検討や、各部門における必要人員数の算出、専門職やマネジメント職の育成計画など、多角的な観点からポートフォリオを策定します。特に、コア人材の確保・育成や、デジタル化に対応できる人材の配置など、企業の競争力強化に直結する部分については、重点的な支援を行います。

人事戦略の整理・制度の検討

効果的な人事戦略の策定と、それを実現する制度の整備は、企業の経営目標を達成するために不可欠です。人事顧問は、企業の成長段階や事業環境に応じた適切な人事戦略の立案と、その実現に向けた制度設計をサポートします。

具体的な支援内容としては、まず現状の人事制度を詳細に分析し、課題や改善点を特定します。その上で、就業規則や評価制度、給与体系などの見直しを行い、従業員のモチベーション向上と組織の活性化につながる制度設計を提案します。最近では、1990年代以降重要性が増している「戦略的人事」の考え方を取り入れ、経営戦略と人事施策の一体化を図ることで、企業の競争力強化を支援します。

また、働き方改革への対応や、多様な働き方を支援する制度の導入など、最新の法制度や社会トレンドを踏まえた制度設計も実施。これにより、従業員が持てる力を最大限発揮できる環境づくりをサポートします。

評価・等級・賃金の設計

公平で納得性の高い評価・等級・賃金制度の設計は、従業員のモチベーション向上と組織の持続的な成長に重要です。人事顧問は、企業の規模や特性に応じた最適な制度設計をサポートします。

まず、職務分析を通じて各ポジションの役割と責任を明確化し、それに基づいた等級制度を設計します。次に、企業の価値観や目標に沿った評価基準を策定し、成果と能力を適切に評価できる仕組みを構築します。その上で、各等級に応じた賃金テーブルの設計や、賞与・諸手当の制度設計など、具体的な処遇制度の整備を行います。

また、制度の導入にあたっては、評価者向けの研修プログラムの実施や、従業員への制度説明会の開催なども支援。制度の運用状況をモニタリングし、必要に応じて改善提案を行うことで、持続可能な人事制度の確立をサポートします。これにより、従業員の成長意欲を引き出し、企業の生産性向上にも寄与するでしょう。

期待する人材像の抽出(職種・役職・雇用別)

企業の持続的な成長には、各職種・役職・雇用形態に応じた明確な期待される人材像の定義も重要です。人事顧問は、企業の経営戦略や組織の特性を踏まえ、具体的に求められる人材像の抽出と、その育成に向けた体系的な支援を提供します。

具体的には、職種別(営業、技術、管理部門など)、役職別(一般社員、管理職、経営層など)、雇用形態別(正社員、契約社員、パートタイムなど)に求められる能力や行動特性を明確化します。その上で、それぞれの期待する人材像に基づいた研修プログラムを設計し、効果的な人材育成の仕組みづくりをサポート。

また、期待される人材像と連動した研修体系の構築も支援します。たとえば、管理職向けのリーダーシップ研修や、専門職向けのスキル開発プログラム、新入社員向けの基礎研修など、階層や職種に応じた体系的な育成プログラムの提案です。さらに、研修効果の測定や改善提案も行い、継続的な人材育成の実現をサポートします。

採用像やキャリアプランの策定

適切な採用像の設定と、入社後のキャリアプランの明確化では、人事顧問は、企業の現状と将来像を踏まえた採用戦略の立案から、具体的な採用活動の実行支援まで、包括的なサポートを提供します。

まず、企業の成長段階や事業計画に基づいて、求める人材像を明確化します。次に、その人材像に合った採用手法の選定や、採用基準の策定、面接評価項目の設計などを行います。さらに、入社後のキャリアパスを設計し、段階的な成長を促す育成計画も策定します。

実務面では、採用プロセスの改善提案だけでなく、実際の採用活動にも積極的に関与します。たとえば、採用面接への同席や面接官としての参加、内定者フォローの実施など、実践的なサポートも可能です。このように、戦略立案から実行フェーズまで一貫した支援を提供することで、効果的な採用活動の実現と、採用後の定着率向上を支援します。

より詳しい情報については、人事制度支援サービスに関する資料をご覧ください。:資料ダウンロード | 株式会社パソナJOB HUB

「人事顧問」の企業内での立ち位置とは?

人事顧問は、企業内で3つの重要な立ち位置を持ち、それぞれの役割に応じて柔軟に対応しながら、組織全体の成長をサポートします。

【人事顧問の3つの立ち位置】

  1. 経営者の参謀
  • 経営戦略と人事戦略の整合性を確保
  • 中長期的な視点での人材戦略の立案
  • 経営課題に対する人事面からの解決策提示
  • 人事施策の投資対効果の分析・提案
  1. 人事部の支援者
  • 専門的な知識やノウハウの提供
  • 最新の人事トレンドや法改正の情報共有
  • 実務面での具体的なアドバイス
  • 人事制度の設計・運用支援
  1. 従業員のサポーター
  • 公平で透明性の高い人事制度の構築
  • キャリア開発支援の仕組みづくり
  • 働きやすい職場環境の整備
  • 従業員の声を活かした制度改善

このように、人事顧問は組織の各層と密接に連携しながら、以下のような価値を提供します。

対象層主な支援内容期待される効果
経営層戦略的アドバイス、意思決定支援経営戦略の実現加速
人事部門実務支援、ナレッジ提供業務品質・効率の向上
従業員制度設計、環境整備エンゲージメント向上

人事顧問は、外部の客観的な視点を活かしつつ、各層の課題や要望を適切にバランスさせることで、3つの立場を常に意識しながら、組織全体の最適化と持続的な組織成長を支援します。

この多面的なアプローチにより、組織の一員でありながら、第三者としての客観性も保持できる点が、人事顧問の特徴的な強みです。

人事顧問の料金相場とは?料金体系の違い

人事顧問の料金体系は、企業のニーズや支援内容に応じて「月額契約」「スポット契約」の2つの形態があります。料金は主に以下の要因によって変動します。

  • 顧問の経験・スキルレベル
  • 支援内容の専門性・難易度
  • 企業規模(従業員数)
  • 関与頻度(月間の稼働日数)
  • 契約期間の長さ

以下、それぞれの契約形態について詳しく解説していきます。

【月額契約】人事顧問の費用相場

月額契約は、定期的かつ継続的な支援を受けられる最も一般的な契約形態です。

項目内容
料金相場10~50万円/月
※事業規模などにより異なる
契約の特徴・定期的な訪問/オンラインミーティング
・長期的な視点での支援が可能
・包括的なサポートを受けられる
主な業務内容・人事制度の設計・運用支援
・採用戦略の立案・実行支援
・評価制度の構築
・労務相談対応

月額契約は、特に人事部門の体制が十分でない企業や、継続的な人事課題の解決に取り組む企業に適しています。支援頻度や内容に応じて料金設定の調整が可能です。

【スポット契約】人事顧問の費用相場

スポット契約は、特定のプロジェクトや課題に対して期間を限定して支援を受ける契約形態です。

項目内容
料金相場プロジェクト単位:50〜300万円
契約の特徴・プロジェクト期間に応じた契約
・具体的な成果物の設定
・集中的な支援が可能
主な業務内容・人事制度の改革プロジェクト
・評価制度の刷新
・採用基準の策定
・研修プログラムの開発

スポット契約は、明確な課題に対して集中的に取り組みたい企業や、特定のプロジェクトで専門家の支援が必要な企業に適しています。

人事顧問の費用を抑えるポイント

人事顧問の活用は企業の成長に不可欠な投資ですが、効果的なコスト最適化により、より高い投資対効果を実現できます。費用を抑えながら効果的に活用するためのポイントは大きく3つあります。

1つ目は、自社の課題と必要な支援範囲を明確にできることです。人事制度の設計、採用支援、評価制度の構築など、必要な業務に絞ってスポット契約を活用したり、複数の課題をまとめて一括契約したりすることで、効率的な費用配分が可能になります。また、課題の優先順位を設定し、段階的に取り組むことで、初期投資を抑えることもできます。

2つ目は、契約形態を工夫することです。長期契約による割引の活用や、オンラインミーティングの併用による訪問頻度の調整など、支援の質を維持しながらコストを抑える方法があります。

3つ目は、適切な人材の選定です。顧問の経験・専門性、対応範囲、契約期間などは料金に大きく影響します。ただし、自社の課題に合わない人材を選定してしまうと、再度選び直す必要が生じてかえってコストが増大してしまいます。

そのため、最初の段階で自社の課題を明確にし、それに適したスキルや経験を持つ人材を慎重に選定することが、結果的にコストの最適化につながります。適切な人材選定は、支援の効果を最大化し、長期的な視点での費用対効果を高めることにもなります。

人事顧問を選ぶ際のチェックポイント

人事顧問の選定は、企業の人事戦略の成否を左右する重要な決定です。適切な人事顧問を選ぶために、以下の3つの主要なポイントに注目する必要があります。

  • 専門性と経験:人事分野での実務経験と専門知識
  • 実績:過去の支援実績と具体的な成果
  • 価値観:企業文化との親和性とコミュニケーション力

それぞれのポイントについて詳しく見ていきましょう。

専門性と経験

人事顧問には、豊富な実務経験と専門的な知識が不可欠です。特に以下の点を重視して選定を行いましょう。

  • 人事実務経験の年数と質
  • 経験した企業規模や業界の多様性
  • 人事制度設計や運用のノウハウ
  • 労務管理や法務に関する知識
  • 最新の人事トレンドへの理解

経験の浅い顧問や特定分野のみの経験では、複雑な人事課題に対応できない可能性があります。複数の企業での実務経験があり、幅広い知見を持つ人材を選ぶことが重要です。

実績

実績の確認は、人事顧問の実力を判断する上で重要な指標となります。以下の点を見極めましょう。

  • 類似規模・業界での支援実績
  • 具体的な成功事例の内容
  • クライアント企業からの評価
  • 課題解決のアプローチ方法
  • 支援後の定着率や効果測定結果

特に、自社と似た課題を抱える企業での支援実績がある人材は、より効果的なサポートが期待できます。

価値観

人事顧問は企業の文化や価値観に深く関わる存在であり、相性の良さは重要な選定基準となります。以下の項目を参考に、選定していきましょう。

  • 企業理念への共感度
  • コミュニケーションスタイル
  • 問題解決へのアプローチ方法
  • 組織文化への理解
  • 従業員との関係構築力

しかし、最も重要なのは「自社の課題とマッチする人事顧問」を選ぶことです。いくら経験が豊富でも、自社の課題に対する適切な解決策を提示できない人材では意味がありません。企業の現状と課題を明確に理解し、それに対する具体的なソリューションを提案できる人材を選定することが、成功への近道となります。

人事制度フェーズの顧問一覧はこちら:人事制度 | 顧問・プロ人材紹介のパソナJOBHUB

採用フェーズの顧問一覧はこちら:採用 | 顧問・プロ人材紹介のパソナJOBHUB

人事顧問の導入事例

人事顧問の導入は、企業の人事課題を効果的に解決し、組織の成長を加速させる有効な手段です。以下では、実際に人事顧問を導入し、成果を上げた企業の事例を紹介します。それぞれの事例から、人事顧問がどのように企業の課題解決に貢献し、具体的にどのような成果を上げたのかを確認していきましょう。

人事制度支援事例

化研マテリアル株式会社では、基幹システムの入れ替えを機に、古くなっていた社内規程の見直しに着手しました。特に権限規程、赴任規程、出張規程などが時代に合わなくなっており、実態との乖離が課題となっていました。

人事顧問は、社内インタビューを通じて現状を把握し、他社事例や統計データを活用しながら、同社に適した規程の作成を支援。顧問自らが手を動かして規程のひな形を作成し、基幹システム入れ替えに関するコンサルティング会社とのミーティングにも参加するなど、包括的なサポートを提供しました。

その結果、短期間で社内規程を刷新することに成功し、将来を見据えた制度改革を実現することができました。

詳細はこちら:化研マテリアル株式会社の導入事例

研修支援事例

株式会社ニコンテックは、管理職の強化と事業所間のつながり構築を課題として抱えていました。人事顧問は、形式的な研修ではなく、IDコンパスを活用した個人の思考性の可視化や、1on1を通じた丁寧なコミュニケーションを実施。

特にMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)の考え方を導入し、自組織における具体的な実行計画まで落とし込む支援を行いました。その結果、部課長会議が活性化し、事業所間のコミュニケーションが大幅に改善。経営陣からも「どんな魔法を使ったのか」と驚きの声が上がるほどの成果を上げています。

詳細はこちら:株式会社ニコンテックの導入事例

採用支援事例

株式会社DTダイナミクスでは、エンジニア採用の強化が課題でした。採用戦略の立案から実行まで社長に属人化しており、技術力の対外的なアピール方法にも課題を感じていました。

人事顧問は、エンジニア採用責任者としての経験を活かし、採用戦略の立案から実行支援まで包括的なサポートを提供。エージェントとのリレーション強化、採用組織の強化、採用ブランディングの確立など、多面的なアプローチを実施した結果、採用人数を前年度比2倍に増加させることに成功しました。

詳細はこちら:株式会社DTダイナミクスの導入事例

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人事顧問は、企業の成長に不可欠な「人」に関する課題を、専門的な知見とノウハウを活かして解決に導く重要なパートナーです。パソナJOB HUBの人事顧問紹介サービスでは、10,000名以上の登録人材の中から、貴社の課題解決に最適な人材をご紹介いたします。

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