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営業課題

会社の売上を成長させる販路開拓の手法とコツ

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「販路開拓」は企業にとって重要な業務です。しかし単に販売先を増やせばよいというわけではなく、自社にどんなリソースがあるか、そのほかに何が利用できるかを考慮しなければなりません。今回は販路開拓の基本的な手法やコツを見ていきます。

自社製品の新たな売り込み先を見つける「販路開拓」。一口に開拓とはいっても、単に販売先を増やせばよいわけではなく、自社にどんなリソースがあるか、そのほかに何が利用できるかを踏まえたうえで、新規販路を開拓していく必要があります。今回は販路開拓の基本的な手法やコツを見ていきます。

販路開拓の基本

創業したばかりの場合、販路開拓は手探りで行うことも多く、資金調達と同じくらい苦労することもあります。また、既存事業を抱えている企業が販路を開拓する場合は、今までとは違う独創性も必要です。さまざまなチャレンジが必要になる販路開拓ですが、いま一度基本的な事項を見直し、自社に合う手法を検討してみてはいかがでしょうか。まずは、販路開拓に必要なチャネルと販路開拓の基本的な手法を見ていきましょう。

販路開拓に必要なチャネル

販路開拓のために必要なチャネルは、以下の3種類に分けられます。

・コミュニケーションチャネル
消費者に製品・サービスを知ってもらい、それらに対する購買意欲を持ってもらうためのチャネルです。テレビやラジオ、インターネットなどのメディアやチラシ、看板、ダイレクトメールなどがこれに該当します。

・販売チャネル
小売店やネットショップ、訪問販売など、製品やサービスを販売するためのチャネルです。

・流通チャネル
卸売業者や小売業など、製品・サービスを消費者へ届けるためのチャネルです。

販路開拓の基本的な手法

販路開拓の基本的な手法には以下のようなものがあります。

・自社サイトを活用する
自社のホームページで製品・サービスをアピールします。すでにアピールを行っていても販路開拓になかなかつながらない場合は、画像や紹介文などを見直し、製品・サービスの特徴がより伝わるようにしましょう。

・動画共有サイトを利用する
動きを伴う製品を紹介には、動画共有サイトを利用するのが効果的です。文字や写真などとは違い、スタッフやユーザーの声も、動画で紹介するとよりリアルに伝えやすくなります。

・製品を展示会や見本市へ出展する
展示会や見本市への出展も、販路開拓の方法として多用されています。一般的に新製品の展示会や見本市は、各チャネルのバイヤーが仕入れのために訪れるので商談を前提とした場所でもあります。面識のない企業同士が新規販路を開拓するために効果的な手段ですが、競合他社が多い点が難点です。自社ならではの強みをアピールするようにしましょう。

・直接アポイントをとって営業をする
新規事業のスタートアップ時や新製品販売時などに行われることの多いのが、この方法です。メール・ダイレクトメールなどで直接営業を行います。相手企業と面識のない状態で営業を行うので新規販路開拓の難易度は高いと言えます。

・既存の取引先から新規販路を紹介してもらう
既に取引先を確保している場合は、そこから新規販路を紹介してもらうという方法もあります。ただ既存取引先から新規販路を開拓しようとする場合、その企業に関係した同分野の販売チャネルになりがちなので、新規ジャンル参入というよりはあくまで既存分野での販路数を増やすための手段と考えておきましょう。

・ネットショップECモールを利用する
ネットショップは販路開拓を効率的に進める手段として効果的です。自社運営の販売サイトを設置することもひとつの手ですが、会員登録数の多いモール型ネットショップへ出店した場合は、顧客数の大幅な増大をねらうこともできます。ただし、複数の企業がそこで製品を販売するため、競合他社が多いことがデメリットです。

・行政の販路開拓支援サービスを活用する
行政サービスの中には、中小企業向けの販路開拓支援活動もあります。営業や製品開発などの経験者を「ビジネスナビゲーター」として迎え、商社へ向けて中小企業の製品を紹介してもらったり、販売方法を教えてもらったりすることができます。また展示会出展のための助成金制度もあります。

販路開拓のコツ

次に、販路開拓をうまく進めるためのコツを見ていきます。

・顧客のニーズや製品の使い方を分析する
自社製品に対する顧客のニーズを考え、どんな人々がその製品・サービスに魅力を感じるのかを分析します。顧客が商品をどのように使うかを具体的に想定し、製品・サービスの中身を構築していきます。

・自社製品の品質、価格、販売方法などを再度分析する
すでに販売している製品やサービスについては、品質、価格帯、販売促進方法などを再度分析します。改善点を見つけて前提要件を改めるだけでも、新規販路開拓につなげられる可能性があります。例えば、品質や価格帯が良くても販促方法が悪くて売れない場合は、想定顧客層にアピールできる販促手法をとることが課題となります。

・業界紙や新聞で自社の製品や活動を紹介する
業界紙や新聞などで自社製品・サービスなどを紹介してもらうことができれば、新規顧客の獲得に効果的です。特にニッチなマーケットでは、業界紙や専門誌などに製品・サービスのことが掲載されると、特定少数のターゲットにアピールしやすくなります。

・コンサルティングサービスを利用する
コンサルティングサービスを使えば、プロの手腕と実績を頼ることができます。高い費用が掛かる反面、費用対効果が期待できます。特に海外で事業を展開する場合には、水先案内人として必須だと言えます。

・補助金や助成金を利用する
地方の都市や公益財団法人などには新規販路開拓のために、助成金や補助金などの制度が設けられているところがあります。こういった補助金を利用するとともに、各機関のアドバイスを受けることもできます。

・マッチングサービスを利用する
日本政策金融公庫や中小企業庁、中小企業支援機関などでは、売り手と買い手のニーズをデータベースに登録しており、各企業が自社にビジネスチャンスのあるニーズを検索できるようになっています。こういったサービスを使えば顧客層の見定めに効果的です。

SNSやブログを活用する
特定の商品やサービス、会社の事業内容などを紹介するためにブログへ記事を投稿したり、SNSアカウントを開設して積極的に情報発信を行ったりする方法です。ブログやSNSを見た顧客を自社製品のファンにするというやり方です。拡散性のあるSNSや、コンテンツマーケティングという手法が使えるブログなどは、新規販路開拓に大きな効果をもたらしてくれる可能性があります。

新たな市場を開拓する

これまで一般的な販路開拓について見てきましたが、販路の開拓に当たっては「新規市場を開拓する」という手段もあります。

これは、例えば通常とは異なる発想に基づいて製品やサービスを開発し、別の市場に売れるかを検討するといった方法でも実現できるでしょう。大手フィルムメーカーがフィルムに使用していたコラーゲンに着目し、それを化粧品開発に応用して新市場に進出した例がこれに該当します。ただし、この方法で新市場開拓を行う場合は、マーケティングと併せて研究開発費にも多くの投資が必要になる場合があります。

自社に合う手法を選び、販路開拓を効率的に進めよう

新規の販路を開拓する手法にはさまざまなものがあります。それぞれのメリット・デメリットを考慮したうえで、自社の業種、予算、市場などに合う手法を選んでください。また、販路を開拓する際には、製品・サービスの分析結果をもとに改善を加えながら、必要に応じて外部のサービスやSNS・ブログなども利用し、効率的に進めましょう。

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