今回の執筆者は、パラレルキャリア研究所の高村エリナ(erina210)さんです。出版社に勤めながら副業でイベント企画、編集・ライター、広報、司会のパラレルワークを実践しているマルチタスクのスペシャリスト!実際にイベントでJOB HUBとも共催いただき、たくさんの方へ多様な働き方から大事なことを伝えていただいています。
JOB HUB TRAVELで開催した「パラキャリ酒場」など、オフラインでのイベント開催を定期的に開催していたパラキャリ研究所が新型コロナウイルスによる活動自粛で大打撃。ピンチの状況からどうやって可能性を見出したのかをまとめていただきました。
記事を書いた高村エリナさんの詳細なプロフィールはこちら (JOB HUBの別ページが開きます)
「パラレルキャリア研究所」代表の高村エリナです。
外出自粛の影響で、幅広い業種でリモートワークが急速に普及しつつあります。一方で、対面でのビジネスを主軸にしていた場合は、これまで通りに事業を継続できず、お困りの方も多かったのではないでしょうか。実は私も、外出自粛によって対面のビジネスができず打撃を受けた一人でした。事業をオンラインに切り替えた経緯と、そこで生まれた可能性についてご紹介します。
「パラレルキャリア研究所」代表の高村エリナです。
外出自粛の影響で、幅広い業種でリモートワークが急速に普及しつつあります。一方で、対面でのビジネスを主軸にしていた場合は、これまで通りに事業を継続できず、お困りの方も多かったのではないでしょうか。実は私も、外出自粛によって対面のビジネスができず打撃を受けた一人でした。事業をオンラインに切り替えた経緯と、そこで生まれた可能性についてご紹介します。
目次
私が2018年に立ち上げた「パラレルキャリア研究所」では、2つ以上の仕事を持つパラレルキャリアに関するトークイベントやスキルアップ講座を、オフラインで50回ほど開催してきました。
日本橋や渋谷を中心に東京都内の会場で月に3〜5回程度の頻度で開催し、ありがたいことにキャンセル待ちが出るほどの盛況が続いていました。
個人向けのイベントに加え、企業向け研修やブランディング支援の仕事も増えて軌道に乗ってきたのですが、そんなタイミングで外出自粛になり3月中旬からすべてのイベントが中止に。大打撃を受けました。
大人数が集うイベント会場の熱気や賑わいが好きだったこともあり、イベントのオンライン開催にはかなり消極的でした。対面の方がコミュニケーションを円滑にとれると考えていたので、顧客からオンラインミーティングを提案されてもわざわざオフィスを訪問するほど、オフラインへのこだわりが強かったのです。リモートワークにすることで、相手との心理的な距離も“リモート”になってしまうのではと不安に感じていました。
しかし、外出自粛期間がいつまで続くか見通せない状況で、何も手を打たないと事業自体が立ち行かなくなる恐れがあります。一念発起して、4月半ばからイベントをオンライン開催に移行し、1か月間で9回のトークショーとスキルアップ講座を企画しました。WEB会議システムのZoomやRemoを活用し、計300名ほどにご参加いただくことができました。
オンライン開催にしたことによって、出演者にも参加者にも「夜に東京の会場に足を運ぶ」という縛りがなくなりました。その結果、志賀高原や逗子など、都心から離れた地域に住む有識者にもリモートでご出演いただくことができました。また、参加者の居住地もかなり幅広くなり、長野、富山、高知、福岡、鹿児島、シンガポール、イギリス、一番遠い場所ではなんと南米・コロンビアからご視聴いただいた方もいます。
ご参加いただいた方から「都心から離れた場所に住んでいるが、パラレルキャリア研究所のイベントに興味があった」「ずっと参加したかったが子どもが小さく諦めていたので、今回リモート参加できてうれしい」などとメッセージをいただくことも増え、東京都心でのオフライン開催にこだわっていたら接点がなかった方との出会いが生まれました。
リモートに切り替えることで、人と人の繋がりが薄くなってしまうのではと恐れていましたが、逆に新しい繋がりが増える結果となりました。
手軽にアクセスできるオンラインのおかげで、取材や仕事も増えた
4月中旬からの1か月は、イベントの開催回数がオンラインに移行する前に比べて2~3倍に増えました。開催回数を増やせた理由は、オフライン開催よりもオンライン開催の方が準備の手間が少なくて済む点が大きかったです。
イベントの増加によってSNSで情報発信する機会も増えた結果、パラレルキャリア研究所の活動に興味を持ってくださる方が増え、1か月間で2件の取材の依頼をいただきました。
さらに、オンライン開催したイベントが盛況だと知った友人の推薦で、はじめてお取引をする企業を紹介していただき、「オフラインの事業を展開していたが、オンラインに移行を考えているので知見を伺いたい」とコンサルティングの依頼をいただきました。
ほかにも、大学のキャリアセンターでの講演、SDGsに関するプレゼン、公務員向けのトークイベント出演の依頼をいただくなど、これまで馴染みが薄かった分野での依頼が増えたのにも驚きました。
外出自粛期間に入ってからいただいた取材やお仕事は、いずれもWEB会議システムを活用してリモートワークで実施します。対面だと移動時間や交通費などが発生するところを、リモートなら負担が少なくできるので、クライアントとしても依頼するハードルが下がり、引き合いが増えたのではないかと考えています。
数か月前までの私は、「リモートワーク」という言葉から「距離の遠さ」を意識してしまい、「距離が遠いと対面よりもコミュニケーションが取りにくいのではないか」と不安に思っていました。しかし、実際にビジネスの主軸をリモートに移行してみて、コミュニケーション上の不都合は特に気にならず、それよりも「距離が障壁にならない」というメリットを強く実感することができました。
リモートワークを導入するために、デバイスやセキュリティなどに関する課題が出てくる場合もあるでしょう。課題の解決が難しくリモートワークができない業種・職種はもちろんありますが、課題を解決する方法は見当がついているのに、漠然としたマイナスイメージから導入に踏み出せないケースも、まだまだ多いのではないかと感じています。
外出自粛をきっかけに一般的になりつつあるリモートワークを一過性の取り組みに終わらせず、「場所に縛られないリモートワークだからこそ、ビジネスの新しい可能性を探せる」と前向きに捉えて継続する企業やビジネスパーソンが増えてほしいと考えています。
「パラレルキャリア研究所」代表。出版社に勤務しながら、パラレルキャリアについて学べるトークイベント「パラキャリ酒場」、スキルアップ講座「ゼロイチ予備校」、都心のビジネスマンと地域をマッチングするツアー「秘境PR部」などを展開。秘境PR部として行った岐阜県飛騨市役所と共催した民泊体験イベントは、内閣官房シェアリングエコノミー促進室「シェア・ニッポン100」に2年連続掲載。