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組織人事課題

採用ブランディングが決め手!優秀な人材に訴求する方法

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人材不足はどの企業でも常に経営陣を悩ませる課題です。求人募集をかけても、「人が集まらない」「自社が求める人材に巡り会わない」「採用してみたら想定した人材ではなかった」など、人事に関連する課題もあります。このような問題の解決策として、採用ブランディングに力を入れてみるのはいかがでしょうか? 今回は、採用ブランディングを行う際のポイントや導入例を紹介します。

採用ブランディングとはなにか

人材採用において注目を集めているのが、採用ブランディングです。採用ブランディングは、企業が人材を募集する際にブランディングを活用する手法です。

歴史やネームバリューのある大企業には、ある程度の企業イメージがすでに存在しています。「車を買うなら国内のあのメーカーが信頼できる」「いつも使っている化粧品はクリーンなイメージのあの企業」など、特に具体的な根拠がなくてもポジティブな印象を消費者に与えている企業が多くあります。

しかし、事業規模が小さい会社や目立たない会社は、求職者に「そもそもどんな会社なのか分からない」という評価を持たれがちです。これは人材採用において不利に働きます。なぜなら、求職者が会社を選ぶときは、企業イメージが重要になるからです。

そこで採用ブランディングでは、ブランディングの手法を用いて、その企業が提供している価値やサービスを効果的に伝え、ポジティブなイメージを発信していきます。その結果、企業の認知度が上がり、採用市場において他社との差別化を図ることができます。

採用ブランディングが注目されている理由の1つとして、SNSが広く一般に普及したことが挙げられます。SNSが普及する以前は、企業イメージを広く定着させるメインの手段として、テレビCMや新聞広告などが利用されていましたが、継続的に広告を出すには資金力が必要なので、大企業でなければ採りにくい戦略です。

ところが、SNSの登場によって企業が行うブランディングの方法は変化しています。SNSを利用した情報発信は、テレビや新聞などのメディアを利用した方法に比べ、圧倒的にコストがかかりません。工夫やアイデア次第で、コストをかけずに世間に影響を与える可能性を秘めています。SNSで一度でもバズれば、その情報をテレビや新聞がさらに取り上げるケースもあります。

採用ブランディングのメリット

多くの企業が注目している採用ブランディングのメリットを紹介します。単純に求職者が増えるだけではなく、企業にとっても求職者にとってもさまざまなメリットがあります。

広告費などのコストを削減できる

テレビCMや新聞広告に比べれば、採用ブランディングは格段にコストを抑えて宣伝効果を得ることができます。SNSでの情報発信や求職者間の口コミなど、情報の拡散は低コストで行えます。この点で、採用ブランディングはWebメディアの特徴を活かした手法と言えます。

企業と求職者のミスマッチを防ぐ

採用ブランディングは、企業の方針や魅力を効果的に求職者に伝え、訴求力を高めていきます。ですから、求職者が入社前に持っていた企業イメージと入社後のギャップを最小限に抑える働きがあり、「入社してみたらイメージと違った」という事態を防ぐ効果が狙えます。結果的に離職率の低下を期待でき、離職率が下がれば、採用に関連するコストをさらに下げられるでしょう。

スクリーニングができる

企業と求職者のミスマッチを防ぐことができるということは、採用ブランディングによって、求職者のスクリーニングが行われていることを意味します。企業が発信する情報が明確で分かりやすく求職者に伝われば、おのずと求職者の質は選別されていきます。企業が求める人材が応募してくる確率が高まると言えるでしょう。

他社との差別化ができる

採用ブランディングによって、ポジティブな企業イメージが明確に求職者に伝われば、それは競合他社との差別化につながります。同じ業界で同等の事業規模の会社がある場合、採用ブランディングが企業選びの決め手になるかもしれません。求職者を意識して採用ブランディングを行っている会社と普通の採用活動を行っている会社とでは人材採用への力の入れ具合に差があることが、求職者にも伝わります。

企業イメージが良くなる

採用ブランディングは、採用分野だけではなく企業全体のイメージを左右します。大学生の就職活動で話題になるのが、不採用の通知の仕方です。無機質なメールで「今回は採用を見送ることとなりました」と事務的な連絡をする企業もあれば、郵送で自社製品とともに不採用の手紙を送る企業もあります。企業が求職者をどのように扱っているかが、企業イメージを決定するファクターになり得ます。

採用ブランディングのポイント

質の高い人材を確保するために有効活用したい採用ブランディングですが、実際に導入する場合にはどのような点に気をつければよいのでしょうか。採用ブランディングを実施する際のポイントを紹介します。

ターゲットを明確にする

自社が必要とする人材の条件を明確にすることで、ターゲットの人物像を設定します。いわゆる、ペルソナを利用したマーケティング手法の採用バージョンです。採用においては、「自社で活用できるスキルがあるか」「社風に合った人物か」などが、ターゲットを設定するポイントです。例えば、下記のような項目を設定することで、ターゲットを明確化できます。

  1. 年齢、性別、居住地
  2. 学歴、職歴
  3. 収入、貯蓄
  4. 性格、思考パターン
  5. 行動パターン
  6. 人間関係
  7. 趣味、興味
  8. やってみたいこと、課題

細かく情報を設定することで、「なんとなく優秀な人材が欲しい」という漠然としたターゲットの設定を防ぐことができます。すでに自社にいるパフォーマンスの高い優秀な社員をモデルにすれば、比較的簡単にターゲットを明確化できます。

自社のスタンス、強みを明確にする

ターゲットを設定できたら、次に自社の強みを明確にします。自社が顧客から支持されている理由は何でしょうか。技術力なのか、営業力なのか、あるいは、競合他社との差別化ができているのか? ビジネスを行ううえでの自社の強みを整理します。

自社の強みは、そのまま求職者へのアピールポイントになります。自社の強みが、設定したターゲットに対して訴求力を持っているかを考えてみましょう。自社のアピールしたい部分がターゲットにきちんと届かなければ、望んだ人材に向けてピンポイントに情報発信ができません。

コンセプトを決める

自社の強みは、そのまま採用ブランディングを行ううえでのコンセプトになります。「この会社と言えば、〇〇」というコンセプトが、求職者の企業イメージになるからです。例えば、「顧客第一主義」を会社の経営理念に掲げているならば、それを採用時のコンセプトに利用できるでしょう。どのような形で「顧客第一主義」を実践しているかを具体化することが、求職者への訴求力となります。顧客サービスを徹底している、消費者目線の商品開発をしている、など分かりやすい形でコンセプトを伝えましょう。

具体的な施策を決める

自社が獲得したいターゲットや採用ブランディングの方向性が決まれば、あとは具体的な施策を進めます。人材採用において、企業と求職者がコミュニケーションを取れる場には以下のようなものがあります。

  1. 自社の採用ページ
  2. 求人募集の媒体
  3. 会社説明会、セミナー
  4. SNS
  5. オウンドメディア

このようなメディアやイベントを通じて、求職者に自社の魅力を伝えていきます。例えば、自社の採用ページはほとんどの求職者が閲覧するメディアです。他社と並列的に掲載される求人媒体とは違い、自社の採用ページは他社と差別化しやすい場所です。自社の魅力が伝わるように、採用ブランディングのコンセプトを表現できる採用ページを作成しましょう。

そのほか、会社説明会や企業セミナーは直接求職者とコミュニケーションをとれる機会です。ホームページやSNSなどのメディアを介さずに話ができる貴重な場面であり、自社の魅力を直接伝えるチャンスです。求職者からのフィードバックも期待できますので、有効に活用しましょう。

採用ブランディングの導入例

最後に、採用ブランディングの具体的な導入例を紹介します。

リクルートキャラクターを利用する

リクルートキャラクターとして、企業のマスコットを活用する方法があります。キャラクターは親しみやすいうえに視認性が高く、Webサイトやパンフレットに登場したときに、人の目を引きやすいという強みがあります。会社説明会のポスターやボールペンといった企業グッズに利用するなど、用途が幅広く、採用ブランディングとしての統一感を打ち出しやすいという点がメリットとして挙げられます。

強いキャッチコピーを利用する

キャッチコピーを繰り返すことで、ポジティブな企業イメージを求職者に強く印象づける方法です。例えば、「1000年輝く企業」というインパクトの強いワンフレーズを打ち出す企業があります。多くの企業が行っているように過去の実績を自社の強みとしてアピールするのではなく、未来を見据えた企業の姿勢を表現しています。自社のアピールになるだけではなく、持続可能な成長という大きなビジョンも提示できます。

ブランドロゴを利用する

キャラクターよりも抽象化したアイコンとして、ブランドロゴを利用する企業もあります。Webサイトの構成要素としてブランドロゴを取り入れ、そのサイトに掲載するイラスト、メッセージ、スタッフの写真などの雰囲気をロゴに合わせることで、全体に統一感が出ます。例えば、「素朴さ」「実直さ」を特徴とする、ある企業では、その社風が伝わるロゴ、イラスト、メッセージとともに、社員一丸となって仕事をしている印象を読み手に与えられる写真をWebサイトに掲載しています。

採用ブランディングで優秀な人材を確保する

採用ブランディングを効果的に実施することで、自社が求める人材に巡り会う確率をアップさせることができます。自社の強みや訴求ポイントを打ち出して、求職者に刺さる採用アプローチを目指しましょう。

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