日本国内だけでなく、グローバル水準での人事制度の構築や運用を含む人事戦略を得意としております。これまで本田技研工業で20カ国以上の人事部門の支援をし、江崎グリコでもグローバル人事ヘッドとして、グローバル全体の人事戦略を描き、実行してきました。
重要なことは、日本と海外を別で考えないこと。ご支援をする企業において、よく陥ることがあります。それは、経営方針はグローバルである一方、人事戦略は国によって方針が異なることです。この場合、現地で発生する問題は現地の企業でしか解決ができず、いつまでも属人性から脱せず、あの国だからという理由で撤退などの判断をせざるを得ません。今後様々なグローバル展開を考えた際に、データでの判断もできない事象が発生いたします。
現在、人的資本経営の潮流もあり、人事でのデータ活用は至上命題となりました。データを把握し、データをもとに経営に提案する。それは海外展開を考える際にも重要な要素となります。あの国だからではなく、国の個別的事情も鑑みた上で、人事戦略を描き実行する。日本の良さは、感情の機微を理解した上で合理的な判断と実行ができること。私は、日本の人事戦略は、グローバルでも通用するものだと考えています。日本とグローバルのハブとなり、企業の人事戦略を描き実行することが私の強みとなります。
私は経営、人事、現場社員と対話しながら、人事戦略を実現し成果を出すことを大事にしています。各ステークホルダーで、淀みやズレは少なからず発生します。たとえば、無理に経営の意思決定として進めてしまう場合、導入や運用の際に抵抗感が発生し、想定以外の問題やトラブルに発展することがあります。特に人事制度を改定する際の給与・報酬面には要注意です。順序立て実行をしないと、現場社員からの抵抗感が大いに起こり得ます。評価(目標)を変え、等級を変更し、最後に報酬改定を実施する。少しずつ、現場社員全体の納得感を創りながら、進めていくことが重要です。
私は、合理的な判断をする大手企業やオーナーの意思決定で物事が進む老舗企業でも経験をしたため、経営側だけでなく、人事や現場社員側との整合性を取ることが必要だと体感しています。そのため、ご支援に入る際には、経営や人事だけでなく、あらゆるステークホルダーとの対話にも入り、すり合わせもします。面倒なことだと思われるかもしれませんが、今後の経営戦略をスムーズに実行する、人と組織を強くし、活力ある環境にするためにも必要なことだと思います。人的資本経営が注目されている現在。人や組織をいかに活性化させるか。それは国内だけでなく、グローバルにおいても同様です。
だからこそ、私は経営、人事、現場社員との対話を重視し、介在価値を発揮しながら人事戦略としての成果を残すことを大切にしています。