企業価値を向上させるため、真のサステナビリティ経営を実現するための支援が可能です。1980年代よりイギリスを中心に、財務的な指標だけでなく、非財務的な指標でも企業を評価する流れが世界的に起こりました。その背景に応じ、環境への負荷を最小限にするため、ISO14001が制定。実は認証の取得数だけであれば、日本企業は最多になります。ですが、日本は取得することが目的化し、本来の意味である事業構造を作り変えることは対応できていません。利益を上げるだけが、企業の評価ではなくなり、利益の量と質のバランスが問われる時代に入りました。
まさに今、事業構造の変革が社会から求められています。ですが、急に変わることはできず、ましてや小手先で変革をすることはできません。重要なのは、これからの経営や社会との関わり方を考え、在りたい企業像を想像すること。私は、損保ジャパンに在籍時、エコファンドを立ち上げました。当時は非財務情報は環境のみだった時代です。財務データに現れない企業価値をどう表現するか。徹底的に研究と実務に関わることで、今ではESG投資ファンドで大賞を受賞するまでに成長しました。
その知見を元に大学でも研究を続け、複数社での企業経営においても、サステナブル経営におけるアドバイザーや社外取締役を担っています。研究も続けながら、経営実務や投資側も経験している人は稀です。私は、経営層の在りたい企業像を共に考え、本当の意味でのサステナブル経営を実現し、企業の価値を向上する経営支援ができることが強みだと考えています。
経営と現場サイドからも考え活動することを心掛けています。サステナブル経営は短期間で実現することはできず、中長期的に見ることが必要です。多くの企業は、マテリアリティ(社会課題の解決と持続可能な発展に向けた重要課題)を考え発信することから始めます。ですが、これは現場からすると事業との結びつきが分からず、繋がらない。社内で浸透しない結果に陥ることも多々あります。
そのため、まずは会社としてのパーパスを作成することから始めていく。10年後どういう企業像で在りたいか。経営としての青写真を作ります。そこから統合報告書を作成する。作成する上で、自社の穴を確認していくこと。最初から完全な会社は存在しません。見つけた穴は、2年から3年をかけ無くしていく。重要なのは、完成した統合報告書を全社員に見てもらい、アンケートを取り、関心のあるパートを把握することです。社員が関心のある内容を認識することが大切です。その結果、企業のパーパスが社員のパーパスに浸透する。
サステナビリティは投資家の評価を高めることはもちろんですが、人材採用や定着にも大きく影響します。経営だけがサステナブルを実現することはできず、現場の声を反映し、一丸となって対応していくことが必要です。私は経営だけでなく、いかに現場を巻き込み実現していくかを考え、支援企業と伴走することを心掛けています。