サクセッションプランは「後継者育成計画」とよく表現しますが、対象、目的は会社によって大きく異なります。日本企業が欧米を参考にしても実務に耐えない可能性が高いと思っています。サクセッションプランは本来、ジョブ型雇用が前提の枠組みであるために、ポジションの定義や人材要件が曖昧な組織風土へ適応しづらい側面もあります。
私は、抽象的な経営戦略や属人的な人事制度など、日本企業が抱える課題に対する人事改革を推進してきました。一方で、合理的かつロジカルなグローバル企業での人事マネジメントも経験し、欧米型のサクセッションプランの意図やポイントも理解しています。
これらの経験をもとに、企業の実態を踏まえた現実的な人事戦略支援をモットーとしています。
多くの日本企業において、サクセッションプランの課題は「人材要件の定義」です。どのポジションに対し何を要件とするのか、経営戦略をもとに定義することが重要になります。
とはいえ、現実的には人材要件が曖昧な状態のまま、人材分析・アセスメント評価をもとにした人材選定となるケースがほとんどです。
理想とフィジビリティのバランスを踏まえた運用可能な戦略をご提案します。
事業会社の多くは、サクセッションプランをはじめ、人事施策の上流工程に腰を据えて取り組む時間的余裕がありません。
一方で、コンサルティング会社の提案の多くはトップダウンで落とし込まれた内容ではあるものの、稼働工数ビジネスであるがゆえ、仕組みを精緻に作りすぎてしまうことも多く、運用フェーズになり人事担当者が困ってしまうケースも少なくありません。
また、これまで外資系企業の論理的かつ合理的判断力が高い優秀なリーダーを多く目にしてきました。一方で、日系企業のリーダーは人間性が高く、ついていきたいと思えるリーダーが多かった印象です。日本は遅れていると評されがちですが、それでも高い利益を出す企業は多数あります。
世の中でトレンドとなっているやり方が必ずしも正しいと思っていませんし、正しいとされているリーダー像だけが常に正しいとも思えません。
サクセッションプランは、企業が置かれた状況と企業が実現したい姿をもとに定めていくものだと考えています。
これが間違いなく正しいという型がないので、「何から手をつければ良いのかわからない」といったお悩みは当然です。
ともに理解を深めながら、現時点の最適なプランを策定しましょう。