私の得意領域は製造とIT分野における量産化の学習曲線の経験的科学から導き出された、「ムーアの法則」と「ライトの法則」が適用できるイノベーション領域です。その中で大事にしているのは、原理原則に立ち返り、限界利益率がマイナスである赤字投資は絶対にしないこと。なぜなら、一度敗北すると5年は立ち直れないのが新規投資の戦いだからです。個人的には大学生の創業時に手元に5万円しかない中で、短期でROE100%の事業投資を18年間繰り返した結果、現在の100億円規模の投資プリンシプルや経営習慣が構築されています。小さいことの積み重ねが大きな成果に繋がります。
まずはどうやってゼロから1億円をつくるのか(ヒット商品や名店をつくる)。つぎに1億から10億をつくることを実験し(量産化のスケールテスト)、資本を増強して10億から100億円にチャレンジ(複数製品の量産化)、需要に寄り添い100億から1,000億円(複数業種、複数製品の量産化及び街づくり)を会計上のごまかしなしで作っていく。営業面や開発面の細かい部分も原理原則を実現するために、営業チームや開発エンジニア一人一人の毎日の業務レベルまで状況と課題をデータ基盤で把握し、適切な判断を下すサポートをします。
支援先の新規事業では、月間0円だった売上を1年で月間5000万円まで創出した経験もあります。負ける投資は一回たりともしたくないという気持ちを前提として、世の中のあらゆる現象に対する適切な認識力があり、自分の力量の限界値を正確にわきまえていれば、無駄な戦いを起こさず、負けることはないという考え方でキャリアを積んでいます。限界利益率確保の原理原則に重きを置いたイノベーション活動が、私の提供できる価値となります。
個人の成長というよりは、組織として成長環境をどうつくるかを意識して取り組んでいます。主に次の3点を重視しています。それは➀財務規律(キャッシュフロー管理)、②エビデンスベースの利益設計(限界利益の確保)、③組織コスト統制(リーダーシップ選定と社内ルール設計) です。
新規事業となると、激増する日々の業務に終われてキャッシュフローをしっかり見ながらコスト管理をすることができていないことがほとんどです。急に手元にお金が舞い込んでくると、それを賢く使って増やすことのできる人は稀です。機関投資家からの出資金、もしくは親会社からの借り入れや出資金は、悪銭身につかずの言葉の通りに数ヵ月で使いきられてしまいます。お金を大切にするということは言うは易し、行うは難しです。自分の食いぶちは自分で稼ぐという、人として基本的な規範を原則として、資本主義のオープンマーケットポリシーを念頭に置くことで今の自分の給与およびすべての時間、労働力、事務所、設備、備品の再調達価格を意識させることを自他共に重視しています。同じことを他社がさらに安く実現すれば事業は負けてしまいます。
だからこそ、マーケットにおける最初のプレイヤーではなく、最終プレーヤーとして生き残るための徹底した市場主義のコスト意識を芽生えさせ、業界最大シェア、業界最安値を実現することのできる組織力を培うことに注力していきます。