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タイミー事業部長が語る! ~売上3.6倍の成長を遂げる営業戦略の「秘密」に迫る!~

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登壇者

株式会社タイミー 事業開発部 物流部門 事業部長 眞玉 京(まだま けい)氏
大学卒業後、三井物産系列のグループ会社に入社。転職後は2社のベンチャーを経験。社員数5名のSaaS系HRベンチャー企業では入社半年で営業部長へ。 新規事業の構想中に株式会社タイミーに出会い、代表と意気投合。2019年に株式会社タイミーへ参画。2020年より営業部長を務め、コロナの逆風の中売上3.6倍に成長してきたタイミーを営業サイドから牽引。 現在は物流内での事業開発を進めるため、事業開発部 物流部門 事業部長でご活躍中。

レポート

働き手の「働きたい時間」と、企業の「働いてほしい時間」をマッチングし、「スキマ時間に働く」「必要な時だけ働いてもらう」という、これまでにない概念を生み出した株式会社タイミー。2017年の設立以降、資金調達額は90憶円を突破し、投資家からの期待値も高い急成長中のベンチャー企業です。今回は、2019年にタイミーに参画以来、営業サイドでその事業の成長を牽引されてきた眞玉氏に、急成長の秘密を紐解いていただきました。

タイミーの概要

タイミーの事業概要

タイミーは、働き手の「働きたい時間」と、企業の「働いてほしい時間」をマッチングさせるサービスです。
働く人は、アプリ上で仕事を見つけ、自分の働きたい時間に手軽に働き、働き終わると即日その場で報酬を得ます。一方企業側は、1時間だけ、2時間だけ、明日急に人手が欲しい、といったピンポイントなニーズに応じて人材の確保ができ、人材募集の手間をかけずに人手不足を解消することができます。更に、相互評価の仕組みを取り入れることで、働く人と企業、双方が一定の緊張感を保って業務をすることが可能となり、働く人の質と、働く場所の質も担保されるモデルです。

創業当時から人材ニーズの高かった「飲食業界」×「学生アルバイト」のマッチングをメインにサービスを展開してきたので、コロナ以前はクライアント企業の実に7割近くが飲食業。働き手であるユーザーも、学生アルバイトの割合が最も多いのが特徴でした。

転機 ―

しかし、長引くコロナの影響で環境は一変。外出規制や感染対策などにより、飲食業界は非常に厳しい状況に陥ります。また、多くの業界や企業が、事業の縮小や転換を余儀なくされ、そこで働く社員の方々も、当面の働き口や副業を、更には異業界へのキャリアチェンジを求める動きも強くなりました。これがユーザー属性の変化に大きな影響を与えています。タイミーでは、眞玉氏が営業部長に着任した2020年1月~3月頃は、「全く売上が立たなかった」といいます。飲食業界の求人ニーズの激減や、働き手の属性とのミスマッチから、飲食業界一本ではどうにも立ち行かない状況に追い込まれていたのです。

急成長の端緒 -選択と集中―

ターゲットの転換

そんな中、訪問先のある物流系企業で眞玉氏は驚くような数字を耳にしました。これまで飲食業企業1社あたりの求人ニーズの数十倍ものニーズがある、という話です。

これは、物流業界に舵を切った方が、確実に伸びる。(眞玉氏)

そう考えた眞玉氏は、すぐに会社に掛け合い、集中的に物流系企業の開拓に着手。わずか1か月で6~7社の新規受注を獲得しました。そして、その同じタイミングで、タイミーは大きな決断を下します。

カンパニー制導入

眞玉氏が物流系企業での手ごたえを感じた翌月、タイミーは業界特化型のカンパニー制を導入します。物流系業界、小売業界を新たなターゲット企業に設定し、全社の組織体制を大きく変更。当時、コロナ禍での巣ごもり需要で、ECやフードデリバリサービスは急速にニーズが高まり、同業界では過去最高益をたたき出す企業も出てくるほどでした。その時流を捉え、会社として一気に舵を切った形です。

会社としての意思決定の速さが非常に重要だった。これが、タイミーがコロナ禍の逆風を乗り越えることができた一番のポイントになっている。(眞玉氏)

と眞玉氏は振り返ります。
そして、カンパニー制導入を皮切りに、特定エリアに向けてtoB向けCMを配信する「ドミナント戦略」や「サービス訴求軸の転換」、後述する「トップアプローチ」等々、畳みかけるように新たな営業戦略を展開していったのです。
では実際に、カンパニー制導入により、どのような効果が得られたのでしょうか。

カンパニー制導入の効果 

最も代表的なところは、「KPI、KGIが明確化できたこと」「リソースが集中できたこと」の2点です。

KGI,KPIの明確化

KGIは、カンパニー全体での粗利に設定し、KPIは、各カンパニーの業界特性に応じた、受注数・ アカウント発行数・アクティブ数・募集人数等とした。これを明確化できたことで、具体的な行動につながり、売上の最大化が実現したという。

リソースの集中

業界特化のカンパニーごとに成功事例やノウハウを蓄積。チームはもとより個の能力や専門性も高まり、質の高い提案、業界特有のアプローチができるように。結果として顧客の満足度向上につながっているという。

リソース集中の効果は、営業トークの変化としても表れています。元々タイミーは、アルバイトの「シフト穴埋め」効果を訴求のポイントにしてきましたが、現在は「人件費の変動費化」に転換しているそうです。物流・小売業界では、繁忙・閑散のサイクルが日ごとに大きく動き、直前にならないと翌日の必要工数がわからないことも多いため、サービスの質を担保するには、常に余剰人員を抱える構造があると言います。ここに着目して、年間通して常に必要な人員は社員雇用で。変動する労働枠にはタイミーを使うことで、固定費としての人件費の削減効果が見込めるのです。業界特性に応じた訴求ポイントの転換ですが、これが実際に多くの物流系企業に刺さり、導入を決める企業が増えていきました。

タイミーの営業戦略 -センターピン戦略―

センターピン戦略

ターゲット転換とカンパニー制導入に踏み切ったタイミーでは、センターピン戦略で企業開拓を進めていきます。センターピン戦略とは、「ボーリングでセンターピンを捉えてストライクを狙う」方法になぞらえて、“業界のトップ企業を攻略することで、業界全体にサービスを波及させていく戦略“という意味で用います。しかし、大手有力企業をターゲットに定めたからと言って、すぐに事が順調に運んだわけではありません。スタートアップ企業が大手企業との取引を開始するのはただでさえハードルが高いわけですが、特に物流系業界は、コンサバティブで守りが固い面もあり、新規参入者の提案を簡単に受け入れてくれる態勢ではなかったからです。

なかなか話を聞いてもらえない。キーマンにつながることができず、正直非常に苦労した。(眞玉氏)

と、眞玉氏は言います。そんな状況をどのようにして打開したのでしょうか。

株主企業との連携強化

ターゲット企業のキーマンに会うため、まず着手したのは主要株主企業との連携強化です。

タイミーには、50社以上の優良な株主企業が存在しますが、これまでそのつながりを活かすことにはそれほど積極的でなかったと言います。しかし、改めてこのつながりの価値を見直し、連携を強化。セミナーの共催や、同行営業、ターゲット企業の紹介、といった具体的な営業協力を獲得することができました。業界に影響力のある株主との協業により、多くのターゲット企業の認知を得、主に現場責任者レベルの方々との接点を作り出すことに成功したそうです。これにより、業界においてタイミーの価値や利便性への理解が徐々に得られるようになりました。

しかしそれでもなお、ターゲット企業の経営層、意思決定者に会うことは、簡単ではなかったと言います。そこでもう1つの戦略も同時に展開して行くことになったのです。

トップアプローチ

顧問サービス

現場がどれだけ価値を感じ、サービス導入に前向きであっても、相手企業が大きければ大きいほど、話がなかなか前に進まない。仮に進んだとしても、導入の意思決定には、膨大な時間がかかってしまうという状況に直面しました。こうした経験の中で、

どこにアプローチをするのか、誰につながるべきなのかを、かなり苦労して模索した。(眞玉氏)

そしてその模索の末、「顧問サービス」の活用に辿り着きました。タイミーとしても眞玉氏自身も、当初から顧問サービスの利用を検討していたわけではなかったそうですが、初めて共に活動してくださった顧問の方のアプローチで、初めて大企業の経営者に会うことができた。そして初めての社長アポイントで、

顧問の方の一声で、全社導入が一気に決まって進んでいく、という素晴らしい体験をさせていただいたのが、その後顧問サービスの活用に一気に力を注ぐポイントになった。(眞玉氏)

と言います。 そこで出会った経営者の方の目線は、「今、目の前で足りていない人手」ではなく、「将来的に会社が取っていくべき人材戦略」にあり、タイミーの存在意義を経営者の目線で伝え、導入が決まった、この経験が大きかったと。その後タイミーでは、物流業界だけでも10名ほどの顧問の方の協力を得てトップアプローチを推進、そして成功させていったのです。

トップアプローチ成功のポイント

トップアプローチ成功の要因は、大きく2つです。
1つ目は、株主企業と共に現場を回り、現場のニーズを吸い上げることができたこと。
2つ目は、その上で、顧問サービスを利用して、トップ営業ができるようになったこと。

「現場に足を運び、声を集め、その声を元に経営者と会い、タイミー導入の価値を伝える」

この両輪でトップアプローチが成功していったのだと考えています。

更に、顧問サービスを活用する上では、以下の3点を心掛けたと言います。
➀事前に顧問の方との目線をしっかり合わせること
―まず、顧問の方にタイミーのサービス価値を理解し、納得いただく。

②重点的にアプローチしたい企業を明確に伝えること
―本当に会いたい方に会うために、優先順位を明確にする。

③サービスをより深く理解していただくこと
―担当営業からも密にコミュニケーションを図り、サービス理解をより深めていただく。

こうして、協業頂く顧問の方ご自身がタイミーのサービスを深く理解し、営業が自動化する、究極はそんな関係性が構築できるようなお付き合いを目指したそうです。

タイミー急成長のヒミツ

タイミー急成長のヒミツを、以下の3点にまとめます。

選択と集中

-機を逃さない迅速な意思決定で、ターゲティング転換とカンパニー制を導入。リソースの集中によっ
 て、個と組織の専門性が高まり、提案・サービスの質を上げることができた。

センターピン戦略

-株主企業の協力を得て、共催セミナーなどで業界大手有名企業からの認知を獲得。リードの深耕や、 
 同行営業等で、現場のニーズを吸い上げることができた。

トップアプローチ

-アプローチ先を明確にし、顧問の方々と強固なパートナーシップを築いて経営層へのアプローチを成
 功させ、新しいマーケットへの参入を果たすことができた。

株主の力を借りて、現場を回り、声を集める。それから、顧問の方の力を借りて、経営者に会い、サービスの価値を理解いただく。その際、その経営者と強力な関係性を持つ顧問の方が隣で援護射撃をしてくださるだけで、成約率は格段に上がった。そんな風に

色々なところを頼って、力を借りて伸ばしていくことで、コロナを乗り越えてくることができた。(中略)正直、私たちの力だけでは大手の企業との取引を勝ち取るのは、不可能だった。(眞玉氏)

そう振り返る眞玉氏の言葉が印象的です。

 しかし、飲食業界一点集中で事業を伸ばしてきた企業が、180度ターゲットを変えるのは簡単なことではなかったはずです。タイミーは、ごく短期間にそれを決断し、会社組織ごと業界特化のカンパニー制に移行。これは、会社としての本気度・強い意志を、内外に明確に示す形になったのではないでしょうか。そして、畳みかけるように、次々と新たな戦略を展開。時には積極的に周囲に協力を求めながら進み続ける、しなやかな姿勢こそが、タイミー成長の真の秘訣なのではないか、と感じます。

今後は、

「『働く』を通じて人生の可能性を広げるインフラを作る」というビジョンに沿って、時間にとらわれず、好きな場所で、好きな仕事を。少し前には考えられないような自由な働き方を、タイミーで世の中に提供していきたい。(眞玉氏)

とセミナーは締めくくられました。

営業戦略の策定には JOB HUB 顧問コンサルティングがおすすめ

弊社には、様々な業務領域のプロフェッショナルが顧問登録して下さっています。株式会社タイミーは、その中でも「営業支援」領域のサービスを大変効果的に利用いただいているユーザー企業様です。顧問のサービスを通じてこのような成功体験を持っていただけたことは、弊社としても大変嬉しく思います。みなさまも営業戦略の策定や見直し、ターゲット企業の攻略をご検討される際には、ぜひお問合せください。

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