コア事業への経営資源の集約や、人件費・設備投資費などのコスト削減を目的として、専門的な能力を持った外部機関に業務を委託する事をアウトソーシングといいます。最近ではこれらに加え、自社にはないスキルを補うために、アウトソーシングを活用している企業が多くなってきています。企業規模別にアウトソーシングを行うメリットを考えてみました。
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一般的にアウトソーシング(業務委託)に適した業務としては、以下のような業務があげられます。
企業がアウトソーシング(業務委託)を導入するには様々な理由が挙げられますが、多くの場合下記のようなメリットがあるからだと考えられています。
ITや技術開発等の一部の業務には、高い専門性が要求される場合があります。
そういった業務に対し、人事異動や中途採用を行うことなく、比較的容易に高い専門性を確保することが可能です。
一部の業務をアウトソーシング化し余分なコストを低減させることにより、新規事業や新商品の開発等、基幹業務へ優れた人材や費用を注力することが可能になります。
アウトソーシングを導入することによって、その業務にかかわる人材の採用コストや教育コスト、退職金、福利厚生等の費用が不要となります。契約期間内の一時的な費用のみで、社員を増やさずに業務遂行の維持拡大が柔軟に対応できます。
企業(あるいはプロジェクト)の状況や時期に合わせて、マンパワーの維持・増大・縮小が可能になります。
人件費を変動費化することで、景気状況に対して柔軟に対応できます。
では、企業規模別にみると、どのようなメリットが考えられるでしょうか。
大企業と、中小企業、スタートアップなどの起業時の3つの企業別に考えてみました。
上記であげている一般的なメリットのうちに、特に「(2)コア業務の強化」が大きなメリットとなるでしょう。
また、大企業の場合は「業務の標準化」もメリットとしてあげられます。
特定の業務を特定の社員が長期間担うことによって、発生する可能性がある「業務の属人化」というリスクを回避するには、第三者でも容易に理解できる形に業務内容を「標準化」するのが有効な手段であり、その一つがアウトソーシングです。外部事業者に業務を委託する過程で、業務を「見える化」し、不必要な業務を顕在化させることで、業務全体のスリム化が期待できます。
上記であげている一般的なメリットのうち特に「(1)高い専門性の確保」が大きなメリットとなるでしょう。
中小企業の場合は、事業展開が速かったり、会社の成長スピードと人員計画のスピードをそろえていくことが難しいステージであることが多いです。そうなる場合、人材の採用のみではなくアウトソーシングを導入することが、企業を成長させていく上での大きなメリットとなります。
上記であげている一般的なメリットのうち特に「(1)高い専門性の確保」「(4)固定費の削減」が大きなメリットとなるでしょう。スタートアップの場合、アイディアをいかに素早く形にしていくかも、事業展開を行っていく上での重要なファクターとなります。アイディアを形にしていくためには、高い専門性を持った人材とうまく出会い、活用していくことが重要です。また、アウトソーシングを行うことで、オフィススペース、その他付帯設備の準備を行う必要もありませんし、人材を採用するために必要となる各種保険の手続きなども不要です。スピード感をもってまずはスタートダッシュを行いたい起業時にはアウトソーシングは積極的に活用したい手段です。
しかし、特に中小企業やスタートアップなどの起業時は、法人対法人としてアウトソーシングの契約を結ぶことが難しいケースがでてきます。その場合に有効な手段がクラウドソーシングです。クラウドソーシングであれば、クレジットカードなどを利用することで、発注主が個人であっても利用できますし、受注者もフリーランスや小規模で事業展開をしている企業が多いため、今までであればなかなか出会えなかったアウトソーシング先に出会うことができる手段となっていくでしょう。