お子さん二人が就園したのを機に復職活動を始めた頃、在宅ワークに出会った木村さん。働く時間を持つことで起きた生活の変化と、気持ちの変化についてインタビューしました。
目次
―前職は何をされていたんですか?
10年程CADオペレーターとして勤めていました。出産のため退社し専業主婦となったんですが、男の子二人の育児は毎日ドタバタで、時間の経つのが早い早い。大変な事もいろいろありますが、日々成長している子供たちに沢山の感動をもらってます。
―復職は前から考えられていたんですか。
はい。子ども二人が入園したのをきっかけに、そろそろ仕事を始めようと思って職安や就職情報誌でお仕事探しをしていたんです。その中で私の条件として「子供が病気になった時や学校行事の時に休みが容易に取れるのか」ということが不安で、なかなか仕事が決まらなかった時に、タウン情報誌で地元の行政が主催の在宅ワークの案内を見つけて、こういう働き方もあるんだと知りました。在宅なら家事や育児の隙間に出来るから時間も有効に使えるし、不安に思う在宅ワークという仕事も今回は市の事業であること、パソナテックのサポートがあることで信頼も高いと思い登録しました。
―タウン情報誌で案内をご覧になって、行動を起こしたということですね。
そうです。初めて目にしたときは在宅だったら育児をしながら働きやすいなあと思いながら読み流していたんです。ですがなぜか、職探しを続ける中で、いつも「在宅ワーク」が頭の片隅にありました。で、二度目に案内を目にしたときに、「やろう!この働き方が私には合っている」と思って電話しました。
―初めてのお仕事のエントリーは緊張しましたか?
初めてお仕事の紹介を頂いたときは不安もありました。仕事の内容を理解することができるか、期日に間に合わせることができるかとか。
ほぼメールでのやり取りになりますが、最初は内容を精読していないため指定アドレスを間違えたりすることが何回かありました。今は複数のお仕事を同時期に請ける事もありますので、フォルダで区分けして送り先を間違えないように気をつけています。
―今は安心して仕事には取り組めてますか?これまで印象に残ったお仕事などありますか?
複雑な内容のお仕事の時には説明会が開催されたり、通常のお仕事も、業務毎にマニュアルが配付されるので、自分の作業内容をしっかり把握して仕事に取り掛ることができます。その事が分かってからはまったく不安はありません。
印象に残ったのは、1年前くらいに請けたライティングのお仕事ですね。普段見ることのないHPを検索したり、それに付随したSNSを調べたり、ライティングのお仕事は色々な事を知ることができて面白いとおもいました。
―お仕事の際、気をつけている事や心がけている事はありますか
在宅のお仕事といえど、会社で作業するのと同じで守秘義務があります。そのため、子どもと夫がいない時間に仕事をするようにしています。在宅ワークを始めた頃、子どもがいるときに別室で仕事をしていても入ってきてしまうことがあったので、子供が家にいるときはやめようと決めました。あと、細かい作業を続けていると疲れて頭痛がしたりするので、連続作業は2時間までと決めています。
―木村さんのお仕事はいつも正確だと感じるのですが、だらだらやらないところが精度を上げるコツでしょうか?
あ~疲れた、と思ったら休憩します。データ入力のお仕事は単純作業も多いので集中が切れると出来上がりが雑になってしまいます。在宅だから休憩の合間に家事をしたり、買い物に行ったりしてリフレッシュできるのがいいですよね。
―集中することで高い精度のものを納品することができているんですね。見習いたいです。
―在宅ワークをしていて、感じるやりがいはどんなことですか
プロジェクト全体の内容を知らないことがほとんどなので、時々受託している作業をしながら、「これは何の為の作業なんだろう」と考える事があります。少し後になって、「あれ、この間のお仕事、これかしら?」って商品化されているのを見た時、これがほんの一角の作業でも何かしらの意味があり、社会のお役に立てているのだと思うと面白く感じてやりがいも出てきました。
―思わぬお仕事が在宅ワークにはあったりしますよね。やりがいが出てきたというお言葉を聞いて嬉しく思います。
在宅ワークをはじめる時に希望していたCADのスキルを、残念ながらまだ活かすことができていなくて、今まで受託してきたのはライティングや文字起しやデータ加工などが主になります。ですが経験したことのない分野の仕事をすることでスキルアップに繋がっていると感じています。あと、やったことに対してクライアントからきちんと評価してもらえることが自信になりますね。今までやった事がなかったことにチャレンジして高評を貰えると嬉しくなります。
―在宅ワークをはじめて周りからの反応はありましたか
ママ友から「今、仕事してるの?」て聞かれる事があるんですが、「在宅ワーク」と答えると、みんな「どんなことするの?」と興味津々で聞いてきます。小さい子どもさんがいるママは、自宅に居ながら子どものそばで仕事ができる事に関心があるみたいですね。もちろんお仕事内容は言えないことが多いので、そこから先は返答に困ってしまうこともあるのですが、「安心して働けるよ~」とJob-Hubを紹介しています。
―ありがとうございます!!
―日頃のリフレッシュやストレスの発散方法について教えてください
マルシェや骨董市に出かけて掘り出し物を見つけることです。この前も犬の置物に一目ぼれして思わず即買いしちゃいました。素敵なものを手に入れた日は一日幸せな気分になります。
最近は自宅の庭いじりでリフレッシュしています。昨年の秋に好みの庭を自分の手で作ろうと思い立って、煉瓦と枕木を敷き詰めアプローチを作成しました。素人なので並べた煉瓦はガタガタなんですが、それも味があっていいかなと。花の苗を植えて、種をまいて、春にはどんなに変化しているのか楽しみです。疲れたときとか、一息入れたいときなんかに庭をぼーっと見ているだけで気持ちが落ち着きますね。
―お庭のアプローチを作成するなんてすごいですね!以前のCADオペレーターの経験が活かされているんでしょうか?
もともと図面を見たり、デザインしたりするのが好きでCADと出会い、オペレーターになりました。なので庭もデザインを考えて自分でできるかなと思って。もう趣味になってます。少しずつ自分の手で理想の庭をつくっていきたいですね。
―好きな事をしている時間を持つのはストレス発散になりますね。
―在宅ワークをはじめて「改めて気づいた自分の一面」みたいなものはありますか
そうですね・・・。考えてみると、在宅ワークをはじめて、気持ちに余裕ができたなと思うんです。
お仕事を始める前の事ですが、子どもが入園して少し時間が出来た時、何もしていない自分に罪悪感を持ったりしていたんです。パートのお仕事を始めたママ友を見て焦ったり、それでイライラすることもあったような気がします。でも、在宅ワーカーとして仕事をすることで、家族のために働いているという自信を持つことができました。家事、育児、仕事とメリハリがあったほうが自分は充実した生活を送れるんだと知りました。
―新たな発見があったということですね。
私は働く時間があることで時間を有効につかっている、一日が充実していると感じるようになりました。でも一番は、働いた収入で家族と外食にいったり、買い物をしたり、そういう楽しみがを持てるようになったことが、心の余裕になったんだと思います。
働いて収入を得ること以上に、時間を有効に使ってメリハリのある充実した生活を送る事が、良いお仕事にも、気持ちの安定にも繋っているんですね。良い事は連鎖するんだと感じました。新しい分野のお仕事にもチャレンジしつつ、CADのキャリアが活かせるお仕事が見つかると良いですね。本日はありがとうございました。