企業が事業展開するなかで、社内の人材だけではどうしても解決できない課題が発生することがしばしばあります。そうしたとき、専門的な知識や経営に関する経験を持つ人材を紹介してもらう「顧問紹介サービス」を活用することで、課題解決につなげることが可能です。顧問紹介サービスはであり、比較的短期間で高い費用対効果を得られるメリットがあります。今回は、顧問紹介サービスのメリットや選び方、また代表的な顧問紹介サービスの特徴などをご紹介します。
そもそも顧問紹介サービスとは、さまざまな経営課題を抱える企業に対し、大手企業での役員や幹部経験のある人材を紹介するサービスのことです。顧問紹介サービスにはさまざまな専門分野や業界で長年働いてきた多様な人材がおり、豊富な知識や経験を有しています。
創業したばかりの企業は経営に関する知見やノウハウが社内に蓄積されておらず、中小企業や中堅企業は昨今の外部環境変化に伴い、サステナビリティやDXなど、大手企業でも前例のない課題に取り組んでいく必要性が高まっています。そこで、顧問紹介サービスを通じ、プロフェッショナルから的確な助言をもらうことで、自社の課題解決や経営力の向上に役立てる狙いがあります。
目次
顧問紹介サービスには、主に次の3つのメリットがあります。
紹介される顧問は、人事や広報、営業・マーケティングをはじめ、自社の人材が持っていないさまざまな専門知識や豊富な経営の経験などを持ち合わせています。そうした知見を通じて、自社の経営課題に対して多様で客観的なアドバイスや支援を行ってくれることが期待できます。
顧問には大手企業での勤務経験がある人物や、業界のトップランナーとして活躍している人物などもおり、豊富な人脈を有していることが珍しくありません。今まで培ってきたノウハウや人脈を通じて、決裁者への商談の設定や同席・同行をいただくことで、リードタイムの短縮と受注確度の向上が可能となります。
顧問紹介サービスは継続的に雇用するのではなく、必要なときに必要な人材をピンポイントで紹介してもらうサービスです。そのため雇用に関わる人件費を抑えることができ、自社で専門人材を育成する時間やコストもかかりません。さらに、紹介してもらえればすぐにプロフェッショナルの知見を得ることができるため、費用対効果は高いといえます。
顧問紹介サービスを利用する際には、以下のポイントを意識して自社に合ったサービスを選ぶ必要があります。
顧問紹介サービスは経営課題の種類や業界などに関して、得意分野が異なります。自社がサービスを導入する目的と紹介サービスの得意分野が合っているか確認することが大切です。
たとえば、スピーディーな事業成長を目的とするのであれば、事業成長の段階に合わせて都度適切な顧問を紹介してくれるような、きめ細かなサービスを提供してくれる事業者がよいでしょう。
顧問紹介サービスは、登録している顧問の人数や質に違いがあります。サービス事業者が抱える顧問の人数や評判をチェックするとともに、自社の業界や規模にマッチした人材が豊富に登録されているのか、事前に確認しておきましょう。
顧問紹介サービスによって料金体系は異なっているため、事前に調べておく必要があります。具体的には、月額固定型か成果報酬型かといった違いがあり、またサービスを利用する際の契約料(初期費用)や追加的なサポートにかかるオプションの費用などが発生する場合もあります。
自社の予算や利用形態に合った料金体系のサービス事業者を選定することが大切です。
以下では、代表的な顧問紹介サービス8社の特徴やメリットをご紹介します。
特徴:
メリット:
特徴:
メリット:
特徴:
メリット:
特徴:
メリット:
特徴:
メリット:
特徴:
メリット:
特徴:
メリット:
特徴:
メリット:
以下では、実際に顧問紹介サービスを導入し成功した事例を2つご紹介します。
では、コロナ禍などの外部環境の変化に伴い、将来を見据えて年功序列型の人事制度を見直そうとしたものの、人材制度の構築に関するノウハウが自社に不足していました。
そこで顧問紹介サービスを導入。顧問は人事制度以前の「どのような会社にしていきたいのか」という点からヒアリングを行い、変えるべきところと変えるべきでないところを明確化したことで、組織の未来を見据えた人事制度を検討できるようになりました。また、人事制度の基盤となるジョブスクリプトも作成し、外部人材からの新しい知見により、変化に前向きな社員も増加するなどの効果を得られました。
ある家具メーカーでは、卸売がメインの事業モデルのなかで公式ECサイトを立ち上げるも、自社にリテールマーケティングの知見が蓄積されていない課題がありました。
そこで顧問紹介サービスを導入し、自社内で運用が完結することをゴールにプロジェクト参加型でサポートしてもらうことにしました。その結果、メーカーECとしてのあるべき姿を中期計画の中で整理し、立ち上げからわずか5カ月間で売上を安定させ業績を好調に新調させることに成功しました。
一般的に、顧問紹介サービスは以下の手順で導入します。
どのような目的で顧問紹介サービスを導入するのか、また目的達成のために自社にどのような知見・ノウハウが不足しているのか洗い出します。そこから、どのような経験やスキルを持つ顧問が最適なのか明確にします。
自社の目的や課題に合った顧問を抱える人材紹介サービスを比較・選定し、問い合わせをします。
顧問紹介サービスの担当者とコミュニケーションをとり、自社の課題やサービスの利用目的、希望する顧問の条件などを伝えます。もしくは顧問のプロフィールを検索・閲覧し、スキルや経験を確認して自社にマッチする顧問を選定する方法もあります。
候補となる顧問を選定した後は、候補者自身と面談・打ち合わせを行い、料金や対応可能な期間など詳細を詰めたうえで契約を結びます。
顧問紹介サービスにかかる費用としては、月額料金や契約料(初期費用)、顧問報酬(手数料)などがあります。成果料として顧問報酬を設定しているサービスが多いですが、手数料の金額はさまざまです。
おおよその相場としては、月額料金型は20万円以上、顧問報酬型は年間報酬の30〜40%が手数料として発生するため、年間100万円以上はかかると見ておいたほうが良いでしょう。
こうした費用感を踏まえ、ROI(投資対効果)の観点から顧問紹介サービスの価値を検証することが重要です。
顧問紹介サービスはすでに多くの企業で活用されていますが、人材紹介の一形態として今後はさらに市場規模が拡大することが予想されます。
その理由の1つは、現在あらゆる業界で人手不足が深刻化し、さらに雇用の流動化が進んでいることから、経営課題を解決できる人材を自社で育成することの難易度やコストが高まっているためです。先述のように、顧問紹介サービスは自社で人材を採用し育成するまでのコストがかからないため、短期で高い費用対効果を得られ、人手の確保が難しいなかで今後さらに大きな役割を果たすことが期待されます。
また、コーポレートガバナンスコードの改定に伴い、こういった顧問人材を社外取締役として活用する動きも活発になってくる可能性があります。
顧問紹介サービスは、経営課題を抱える企業が課題を解決し、持続的成長を達成するうえで非常に役立つサービスです。特に、経営や専門知識に関するノウハウが蓄積されていない中小企業やベンチャー企業等は、大手企業の役員経験などを有する顧問から助言を受けることで、新たな知見の獲得が期待できます。
顧問紹介サービスのポイントをまとめると以下の通りです。
「顧問紹介サービスの比較資料」
顧問紹介サービスにおける、サービス形態や判断基準、当業界における競合との比較について解説した資料です。サービス活用の検討や当業界における比較検討の際にご利用ください。