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新規事業のマーケティング戦略とは?市場構造を把握したうえで競合との差別化を図る

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マーケティング戦略とは、企業が商品やサービスを市場に導入して競争力を強化し、顧客を獲得・維持するために採る計画的なアプローチや取り組みです。新規事業の立ち上げ時は、市場の情報が不確定であり、既存事業とは異なるマーケティング戦略が必要です。

適切な市場調査を行い顧客や競合を正しく理解することで、より素早く事業化に繋がるマーケティング戦略が創出できます。本記事では、新規事業の立ち上げに必要となるマーケティング戦略の立案や実施のステップをはじめ、マーケティング戦略の意思決定のポイントについて紹介します。

「新規事業」と「既存事業」のマーケティング戦略の違い

違い,新規事業

マーケティング戦略とは、市場(顧客)のニーズや自社の状況などさまざまな状況を踏まえて「誰に」「どんな価値を」「どのように提供するか」などを計画することです。新規事業のマーケティング戦略を立てる場合、まだ顧客が獲得できておらず不確実な要素が多いため、既存事業以上に市場調査と競合分析が重要です。

まずは

  • 目標市場の特定
  • 顧客ニーズ
  • 競合との差別化要素
  • 想定する価格
  • プロモーション方法配布チャネルの選定

などを明確にする必要があります。市場の需要に応じた製品やサービスを開発した結果、既存の商品とは異なるブランディングや販促活動が必要になることもあります。一方、既存事業の場合は、すでに市場が確立して顧客も獲得できているため、見込み客の醸成やリピート客を増やすマーケティング戦略が求められる傾向があります。顧客満足度の向上を図る目的で、品質管理やアフターサービスの向上などが重視されます。

新規事業に必要なマーケティング戦略を立案・実行するための主要ステップ

マーケティング戦略,ステップ

新規事業を効率よく立ち上げるためには、マーケティング戦略を慎重に検討して実施する必要があります。ここでは、新規事業のマーケティング戦略を立案・実行する際の一般的なステップを紹介します。

  • STEP1:市場調査(分析)
  • STEP2:市場の細分化(セグメンテーション)
  • STEP3:ターゲットを絞る
  • STEP4:ポジショニング
  • STEP5:マーケティング戦略の実行と最適化

STEP1:市場調査(分析)

市場の動向、顧客の行動、テクノロジーの進化などが刻々と変化するなか、企業は速やかに新規事業を立ち上げて成長分野への移行を図る必要があります。市場調査の目的は、マーケットの現状を的確に把握してマーケティング戦略に活かすことです。業界の特性によって調査する内容は変化しますが、あらかじめ市場や顧客の仮説を複数検討したうえで以下のような調査と分析を行います。

また、過去の情報と比較することで、市場環境の変化を読み取ることも可能です。

【市場調査で確認するべき内容の例】

  • ターゲット:市場市場規模(全体、地域別、セグメント別など)、市場成長率、参入企業の多さ、収益見込み、市場の特徴、市場の動向、トレンド
  • 顧客:セグメントごとのニーズ、ユーザー心理、不足しているもの、価格感度、有効な流通チャネル
  • 自社:SWOT分析(自社の強み、弱み、機会、脅威)など
  • 競合企業・商品:競合他社の業績・動向、競合他社の商品における強み・弱み、マーケティング戦略、成功事例、失敗事例
  • 業界:業界構造(サプライチェーン)、業界慣習、ビジネスモデル、企業シェア、法規制
  • 技術動向:新規事業に影響を与える可能性のある技術の進歩やイノベーション

【市場調査】方法と種類

市場調査を行う際は、費用、時間、労力などのコストがかかります。やみくもに情報を集めるのではなく、課題と目的の明確化を行って仮説に基づいた調査方法と調査の種類を選択しましょう。

市場調査として一般的なのは、以下5つの方法です。

  • デスクリサーチ:文献調査、Web、新聞、雑誌、調査会社の調査など公開データ収集
  • アンケート調査
  • 訪問・インタビュー調査
  • データ解析:レジなどPOSシステム、購買履歴、サービス利用履歴、Webログなどの分析
  • 観察調査:検索エンジンを使った情報収集、対象となる人の行動、ものの動き、施設の実態など

また、市場調査の種類には、販促調査、価格調査、商品開発調査、認知度調査・満足度調査があります。分析を行う際は、PEST分析、3C分析、SWOT分析などのフレームワークを使うことも一案です。

【市場調査】マーケティングリサーチとの違い

市場調査とマーケティングリサーチは似ているものの異なる概念です。そのため新規事業のマーケティング戦略を立案する際には、これら両方からのアプローチを行って戦略化することが重要だといえます。市場調査では、市場の現状や過去の傾向を理解し、実態を詳しく調査することに焦点を当てています。市場規模、成長率、競合の状況など、現在の市場環境に関する具体的な情報が収集できます。

つまり、市場調査とは、「過去から現在」に至るまでの市場の動向を数値やデータから分析する方法です。一方、マーケティングリサーチの目的は「現在から未来」に向けて市場の動向を予測、考察することです。市場のトレンド、消費者の行動変化、新製品の市場ポテンシャルの予測など、より広範な視野で市場を分析し、新たなニーズの創出など将来に向けた戦略的な意思決定に活かします。

STEP2:市場の細分化(セグメンテーション)

市場の細分化(セグメンテーション)とは、収益性が見込める市場のうち、一定の特徴ごとに市場を分割して、実際に新規事業を立ち上げるターゲット市場を見つけるためのマーケティング手法です。セグメンテーションを分類する際は、以下のような切り口が有効です。

人口動態変数(デモグラフィック変数)

顧客ニーズとの相関がとりやすく一般的に使われる分類です。

 ・・・年代、性別、職業、所得、学歴、家族構成、世帯規模など

地理的変数(ジオグラフィック変数)

生活に身近な食品や医療品、生活家電など地理的要因で嗜好に差が出やすい事業に向いた分類です。

 ・・・地域、気候、人口密度、地域の様子、生活習慣(車を使う、地域住民同士のつながり強弱)

心理的変数(サイコグラフィック変数)

ある人口動態変数について、性格傾向や価値観、ライフスタイルにもとづいてさらに多角的に分ける分類です。

 ・・・ライフスタイル(健康志向、流行に敏感、断捨離が好き)、パーソナリティ(社交的、神経質、権威主義)、社会階層(上流、中流)など

行動変数

顧客の行動パターンや反応などによる分類です。

 ・・・使用場面(毎日使う、朝に使う、週末に使う)、知識の有無、利用頻度

STEP3:ターゲットを絞る

ターゲットを絞ると、市場が明確になります。その結果、競合が少なくなるほか、ターゲットに好まれる企画立案・製品化・販売・宣伝に繋がり、新規事業全体の効率や一貫性が高められます。開発においてもターゲットをより深く理解できるため、具体的な価値を商品サービスに落とし込むことが可能です。STEP2の市場の細分化では、以下の要素を重視しています。

  • Rank(優先順位):自社の経営戦略に基づく優先順位
  • Realistic(規模の有効性):規模化が見込める、または小規模でも利益が見込める
  • Reach(到達可能性):細分化したセグメントに自社が実際にアプローチできる
  • Response(測定可能性):セグメントの規模や購買力、特性が測定できる

そのため、ターゲットを絞る際は、自社のリソースを最も価値ある顧客層に集中させることが重要です。単純に性別、年齢別、地域別のみでターゲットを絞り込むとそれぞれの嗜好が分散してしまう恐れがあり注意が必要です。

STEP4:ポジショニング

ポジショニングとは、自社の市場における立ち位置を決めることです。ポジショニングの目的は、顧客の心に製品の特定のイメージを刻み込んで市場での立ち位置を確立することにあります。ポジショニングを確立できれば、競合との差別化を図り、ターゲットに自社の優位性を示しやすくなります。また自社の戦術を考えるのにも役立ちます。

ポジショニング

なお、ポジショニングを明確化する際は、縦横の2軸に自社・競合他社の製品・サービスを配置した「ポジショニングマップ」の活用も有効です。ポジショニングマップでは、他社と差別化できる独自のポジションが視覚的にわかるため、新規事業の立ち上げや既存ビジネスの見直しなどに活用されています。ポジショニングマップを作成する際は、ターゲット層のニーズからKBF(購買決定要因)を洗い出し、そのうち相関性が低く重要度の高い2つの要素を選んで2軸の要素に決定します。

参考:新規事業を立ち上げるためのフレームワーク13選~内容と使い方について~

STEP5:マーケティング戦略の実行と最適化

マーケティング戦略の実行段階では、単に商品やサービスを市場に投入するだけでなく、顧客体験の最適化やデジタルマーケティングの活用、マルチチャネル戦略化、持続的なブランディングなどやるべきことがいくつもあります。マーケティング戦略を最適化するには、売上や市場シェア、顧客のエンゲージメント、ブランドの認知度などをKPI(重要業績評価指標)に定め、定性・定量評価を行うことが重要です。その際は、主観ではなく、マーケットリサーチ、顧客の行動データ、販売データなど事実に基づいた意思決定を行いましょう。

新規事業のマーケティング戦略では、市場が定まっておらず外部環境の変化が大きくなる傾向があります。市場動向の変化、ターゲットユーザーの興味や嗜好の変化、フィードバック、競合の動向などに目を配り、PDCAサイクルを回して改善しつづけることが重要です。

マーケティング戦略の意思決定のポイント

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マーケティング戦略の意思決定において中心となるのは、ターゲティングとポジショニングです。これは、「どの顧客に対して価値を提供するか」「その価値をどのように顧客に伝えるか」という観点を明確にして、競合と差別化を図ることが重要です。新規事業の初期段階では、詳細な調査を行いターゲティングとポジショニングを検討しても、それは仮説に過ぎません。しかし、技術やトレンドが目まぐるしく変化する昨今の動向を踏まえると、新規事業は素早く立ち上げを行い、市場の変化や消費者のニーズへ正確に追従していかなければなりません。

初期段階では複数の可能性を検討していても、事業が進展するにつれて「購入していただけるお客様」や「購入してくれる理由」が明らかになってきます。市場やユーザーニーズ、需要が継続的に見込まれるかなどを考慮して、独自性のある商品やサービスを提供することで、事業の長期的な成功と顧客支持を得る企業の成長が期待できます。

このように、商品の販売において、競合との差別化の必要性は広く知られています。マーケティング戦略の意思決定に差別化が必要となる理由について、さらに詳しく紹介します。

企業の持続的な成長に直結

企業が長期的な成長を実現するためには、市場からのニーズがあり利益が創出できるなど事業継続性の見込みが欠かせません。ターゲティングとポジショニングを確立して、顧客がその価値観を受け入れることで、安定した市場ポジションの確立と競合他社との差別化が図れるのです。つまり、顧客ロイヤルティやエンゲージメントを高めることは、企業の持続的な成長に繋がります。

新規事業のマーケティング戦略を構築する際は、企業の経営理念や経営方針などを考慮して、長期的な視点での差別化を図る必要があります。長期的な差別化戦略の構築は、製品やサービスの改善、顧客関係の強化といった端的な課題や顧客からの要望から始めるのが有効です。

スモールステップを刻んで差別化要素を拡充していくと、社内の開発体制も習熟し、商品の改善が図れます。さらなる技術力や品質向上が期待できるでしょう。また、市場からみると、突然商品が代わり顧客が離れるというリスクを抑え、継続的な利用を促進するのに役立ちます。この戦略は長期的な視点を持ち、企業のブランド力やイメージ向上に寄与します。共感を呼ぶブランド構築が、企業と顧客の価値観を一致させ、長期的な成功に繋がります。

新たなビジネス創出のチャンスになる

新規事業の差別化を図り成功へ導くためには、自社のSWOT分析はもちろん、競合企業の強みと弱みを徹底的に分析することも重要です。特に、競合の弱みを理解することで、市場でまだ満たされていない新たなニーズや真のニーズの発見に活かせます。その課題を補完する製品やサービスを開発すれば、市場から受け入れられる見込みが高い新たなビジネスの糧にできるのです。

差別化戦略を進める際には、単に競合と異なることを目指すだけでなく、顧客にとって意味のある独自性を持たせることが重要です。企業は顧客の心に深く刻まれる事業を行うことで、長期的な顧客関係を築くのに役立ちます。

また、差別化は新規市場の創出や市場シェアの拡大にも寄与し、企業の成長と持続可能性に寄与します。競合に対する明確な優位性を確立することで、企業のブランド価値の向上にも活かせます。

新規事業のマーケティング戦略にお悩みのご担当者様へ

新規事業の成功において、市場調査による顧客理解や競合調査は非常に重要な鍵のひとつです。新規事業は市場やユーザーニーズなどに不確定な要素が多いことから、各検討ステップにあわせて柔軟に対応できる体制の構築が欠かせません。新規事業に必要なマーケティング戦略の主なステップには、市場調査や市場の細分化、ターゲティング、ポジショニングなどがあります。また、KPIが達成できているかPDCAを回して改善を図り続ける必要もあります。

新規事業のマーケティング戦略で意思決定を行う場合は、ターゲティングとポジショニングが非常に重要です。企業の持続的な成長や新たなビジネス創出にかかわる重要な判断のため、もし社内だけでの意思決定に不安がある場合には、パソナJOB HUBへお気軽にお問い合わせください。

パソナJOB HUBが展開する「JOB HUB顧問コンサルティング」の「新規事業支援サービス」では、新規事業の各領域に精通した経験豊富な専門家をご紹介します。マーケティング戦略の策定ほか各フェーズに応じた新規事業の検討に外部のノウハウを活用してはいかがでしょうか。

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